こんばんわ
毎月定点観測している、全世界株式の2018年7月の月次レポートが出揃ったので、
比較してみたいと思います。
毎回思うのが、野村つみたて外国株投信の月次レポート発行が一番遅い。。。
野村つみたて外国株投信ユーザーとしては、野村AMにはもうちょっと気合入れて
ほしいもんです。
<月次レポート一覧>
1.野村・楽天・Slim 3つのファンドの特長
<野村つみたて外国株投信>
・目標指数:MSCI ACWI(除く日本)円換算・配当込み
⇒地域構成割合おおむね 先進国:新興国=8.8:1.2
・信託報酬:0.2052%(税込み)
・実質コスト:0.2508%
2018年7月の運用報告書より、野村つみたて外国株投信の実質コストは
信託報酬:0.2052 + 追加コスト:0.0457%≒0.2508%(信託報酬より逆換算)
詳細は下記記事参照
www.oyagakoniosieyou-fosterassets.com
<eMAXIS Slim全世界株(除く日本)>
・目標指数:MSCI ACWI(除く日本)円換算・配当抜き
⇒地域構成割合おおむね 先進国:新興国=8.8:1.2
・信託報酬:0.15336%(税込み)
・推定実質コスト:0.2456%
(計算内訳)
eMAXIS Slim全世界株(除く日本)が利用するマザーファンドはeMAXIS Slim
先進国株&新興国株と同じです。
これらのファンドの追加コストである
先進国株式(≒0.0796%): 新興国株式(≒0.1852%)を 8.8:1.2で加重平均して
信託報酬を足すと、下記の計算となります
0.0700(先進国)+0.0222(新興国)+0.15336(信託報酬)≒0.2456%(推定)
<楽天・全世界株式インデックス>
・目標指数:FTSEグローバル・オールキャップインデックス
※MSCI ACWIが日本抜きで大型・中型株がメインなのに対して
日本&小型株まで含まれている
⇒地域構成割合おおむね 日本:先進国:新興国=1:8:1
・信託報酬:0.2296%
・推定実質コスト:0.3796%
(計算内訳)
・信託報酬:0.24%
・推定運用コスト:0.05%
同じファンドオブETF'sであるi-mizuho米国株投信の2016年運用報告書より、
i-mizuho米国株投信の運用コスト0.062%に対して楽観視した数字に丸めました。
・三重課税コスト:0.1%
米国ETFを買うとVTの投資先で課税され、米国で課税され、最終的に
日本で課税される三重課税となりますが、確定申告をすると米国での
課税が免除されます。
しかしながら楽天・全世界株式インデックスの場合は全部課税されるそうで、
他のブロガーさんの記事を見ていても投資信託に対して0.1~0.14%ほど
課税される計算結果が記載されていますので、とりあえず0.1%を採用
⇒信託報酬(0.2296)+運用コスト(0.05)+三重課税コスト(0.1)
=0.3796%(予測値)となります
・特徴:バンガードのETF「VT」を買い付けるだけのインデックスファンド。
ETFの価格は取引市場での需給変動の影響を受ける。
※以後、楽天VTと略します
2.今月の騰落率を比較
「投資」をしてるのですから、やはりリターン(騰落率)は気になりますので、
まずはそこからチェックしましょう!
<ファンドの騰落率>
※騰落率算出方法:レポートの値ではなく、先月レポートとの基準価額差より算出してます
<今月の騰落率>※左のグラフ
対象指数が同じMSCI ACWI(除く日本)の野村つみたて外国株投信とeMAXIS Slim
全世界株(除く日本)の騰落率は、野村がslimに対して+0.2%≒ほぼ同等で、それに
対して楽天VTは野村比-0.6%となっております。
そして設定来騰落率(右グラフ)を見ると衝撃なのが、楽天VTとeMAXIS Slim全世界株
(除く日本)の設定来騰落率がほぼ同じになってしまってます。
楽天VTはeMAXIS Slim全世界株(除く日本)より6ヶ月以上運用期間が長く、且つ、
野村つみたて外国株投信と完全な同期にも関わらず、騰落率が揮いません。
対象指数が異なるのが影響してるのでしょうか?
<対象指数の騰落率>
野村つみたて外国株投信と楽天VTが運用対象とする指数の騰落率です。
MSCI ACWI(除く日本):日本を除く世界時価総額 大型株メイン
FTSEグローバル・オールキャップインデックス:大中小型株の世界時価総額比率
※月次レポートの値をそのまま引用
今月の指数騰落率では、MSCI ACWI(除く日本)がFTSEグローバル・オールキャップ
インデックスより+0.3%高いので、野村つみたて外国株投信 & eMAXIS Slim全世界
株(除く日本)の今月騰落率が楽天VTより高い理由になります。
しかし指数同士の差は0.3%ですので、楽天VTが0.6%も低い理由にはなりません。
3.指数との乖離
インデックスファンドに求められるのは、指数に対するパッシブ運用です。
つまり、プラスにもマイナスにも振れた分だけ運用能力としてはマイナス評価と
なってしまいますので、ここのチェックは外せません
※「今月の騰落率」は基準価額より算出 指数騰落率は月次レポート引用
楽天VTは、今月も派手にヤラカシマシタ・・・
楽天VTは指数との乖離を気にしては駄目だと分かっていても、指数の設定来トータル
リターンを2%近く取りこぼしていますので、これは大問題です。
※楽天VTの月次レポート
はっきり言ってやる気あんのか?って状況です
楽天VTの運用報告書はまもなく公開されるでしょうから、そこでしっかり釈明して
いただきたいですね
ちなみにeMAXIS Slim全世界株(除く日本)は野村つみたて外国株投信と同じ
MSCI ACWI(除く日本)ですが、実は指数に配当「込み」「抜き」の違いが
あるので、eMAXIS Slim全世界株(除く日本)の指数との乖離は、野村つみたて
外国株投信の配当込み指数を計算元に使用しました。
その辺の違いは、下記記事を参照
www.oyagakoniosieyou-fosterassets.com
4.各ファンドの純資産総額の推移と月次資金流入量の確認
資金流入は金融機関にとって大事な収入源となると同時に、投資家から支持を
得ているのかの指標になりますので、純資産総額と月次資金流入のチェックは
実は騰落率を比較する以上に大事です。
まずは同じMSCI ACWI(除く日本)を目標指数とする、野村つみたて外国株投信と
eMAXIS Slim全世界株(除く日本)の運用成績を見てみましょう
<純資産総額の推移>
eMAXIS Slim全世界株(除く日本)は3月下旬から運用が開始されたので、
純資産総額の伸びっぷりには目を見張るものがありますね。
野村つみたて外国株投信は8月に30億円に到達したので、eMAXIS Slim全世界株
(除く日本)は20億円に到達しそうです。
では次に、この2ファンドの月次資金流入と、累計資金流入を見てみます
両ファンドも順調に運用資産が増えておりますが、ここに来て少し変化が出ました。
eMAXIS Slim全世界株(除く日本)は毎月4億円以上の資金流入がありましたが、
今月は3億円前半まで減ってますが、逆に野村つみたて外国株投信の資金流入が
4億円近くまで増えております。
楽天VTもeMAXIS Slim全世界株(除く日本)と同様に、今月は資金流入が減りました。
※それでも10億円超えですが
資金流入が減少した理由として、ファンド購入方法に違いがあると推定できます。
楽天VTとeMAXIS Slim全世界株(除く日本)はスポット購入が可能なのに対して
野村つみたて外国株投信は積立て購入しかできませんので、野村つみたて外国株
投信の投資家は、最初に購入設定をした後は完全放置状態になります。
それに対してスポット購入が可能なファンド(楽天とslim)を自動買い付け設定
していない場合、毎日の相場状況によって買い付けタイミングに投資家の「意志」が
介入してしまいます。
そうなると相場が荒れてて本来「買うべきタイミング」で買えず、高値掴みしている
可能性があり、得られるリターンを取りこぼしてしまいます。
その証拠に、野村つみたて外国株投信と楽天VTのインベスターリターンを比較すると
楽天VTの投資家は野村つみたて外国株投信の投資家より低リターンになってることが
分かります
※2018年7月31日時点 モーニングスター情報
※IR:インベスターリターン TR:トータルリターン
この表より言えることは二つ
<1つ目>
野村のIR - TRより、タイミング投資なんてしようとせずに自動化した積立て投資に
専念すれば、人の意志を上回るリターンを得られる
<2つ目>
TRの比較から、野村つみたて外国株投信は楽天VTを2.6%上回っています。
世界中の株式に分散させた「インデックス投資」でここまでリターン差が
出るのですから、ますます楽天VTを選ぶ意味が見出せませんね。
楽天VTはバンガードの人気FTF「VT」を間接的に買い付けれる投資信託なので
人気がありますが、いよいよメッキが剥げてきた気がします。
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