おはようございます☆
毎月定点観測している全世界株式インデックスファンド達の、2019年5月度の
月次レポートが出揃ったので比較してみたいと思います。
今回注目すべきポイントは、2つです
①相場が悪い1ヶ月にも関わらず、各ファンドへの月次資金流入は増加
<月次レポート一覧>
※私は野村つみたて外国株投信推しなので、若干バイアスかかった記事である事を御容赦願います
1.野村・楽天・Slim(除く日本&全世界) 4つのファンドの特長
※当ブログをいつも講読して下さってる人は、「2.」から読み始めてOKです
全世界株式(除く日本)のインデックスファンド
対象指数:MSCI ACWI(除く日本)
アセットアロケーション:先進国株(除く日本)と新興国株の比率は概ね8.8:1.2
<野村つみたて外国株投信>
・目標指数:MSCI ACWI(除く日本)円換算・配当込み
・信託報酬:0.2052%(税込み)
・実質コスト:0.2508%
※ 以後、野村つみたてと呼称します
www.oyagakoniosieyou-fosterassets.com
<eMAXIS Slim全世界株(除く日本)>
・目標指数:MSCI ACWI(除く日本)円換算・配当抜き
・信託報酬:0.15336%(税込み)
・推定実質コスト:0.224%
(計算内訳)
これらのファンドの追加コストである
先進国株式(≒0.059%): 新興国株式(≒0.158%)を 8.8:1.2で
加重平均して信託報酬を足すと、下記の計算となります
0.052(先進国)+0.019(新興国)+0.15336(信託報酬)≒0.224%
※以後、slim(除く日本)と呼称します
全世界株式(日本を含む)のインデックスファンド
対象指数:MSCI ACWI、FTSEグローバル・オールキャップインデックス(※)
※MSCI ACWIが日本抜きの大型株がメインなのに対して日本&中・小型株まで
含まれている
アセットアロケーション:日本株:先進国株と新興国株の比率は概ね1:8:1
<楽天・全世界株式インデックス>
・目標指数:FTSEグローバル・オールキャップインデックス
※MSCI ACWIが日本抜きで大型株がメインなのに対して日本&小型株まで
含まれている
・信託報酬:0.2296%(税込み)
・実質コスト:0.311%
・特徴:バンガードのETF「VT」を買い付けるだけのインデックスファンド。
ETFの価格は取引市場での需給変動の影響を受ける。
※以後、楽天VTと略します
www.oyagakoniosieyou-fosterassets.com
<eMAXIS Slim全世界株(オールカントリー)>
・目標指数:MSCI ACWI
・信託報酬:0.15336%(税込み)
・特長:MUAMとしては日本株式クラスを、初のMSCI JAPAN指数に連動する
正真正銘の現物株式100%運用の全世界株式インデックスファンド。
日本株式のマザーファンドが新設の為、コスト含め注目が集まる
以後、Slim全世界と呼びます
www.oyagakoniosieyou-fosterassets.com
2.今月の騰落率を比較
全世界株式インデックスファンドがパッシブ運用する対象指数の整理と、指数毎の
2019年5月度の騰落率を確認します
<対象指数の騰落率>
※月次レポートの値をそのまま引用
株式世界時価総額比率での指数による先月1ヶ月間の騰落率は約-6.7%。
これら3つの指数の騰落率が全て同じと言う、珍しい1ヶ月でしたね。
毎月この記事を書いてて思うのが指数内に日本市場有無関係なく、リターンにほとんど
影響が出ないんですよね~
さて上記指数の騰落率と全世界株式インデックスファンド達の信託報酬差より、
各ファンド騰落率の予想順位は
Slim(除く日本) = Slim全世界 > 野村つみたて >楽天VT
となるはずです。では、結果を見てみましょう
<各ファンドの2019年5月度の騰落率>
※騰落率算出方法:月次レポートの値ではなく、先月のレポートとの基準価額差より算出してます
予想:Slim(除く日本)= Slim全世界 > 野村つみたて >楽天VT
結果: 楽天VT > Slim全世界 > Slim(除く日本)= 野村つみたて
予想(対象指数の騰落率)に対して結果は楽天VTが他のファンドより約+0.2%程
騰落率が高く、Slim全世界も微妙に高くなってますね。
ここから推定できるのは楽天VTが他ファンドより指数に対して上方乖離したのか、
野村つみたてとSlim(除く日本)が指数に対して下方乖離したかです。
インデックスファンドに求められるのは対象指数に対するパッシブ運用ですので、
2019年5月度に於ける、4つのインデックスファンドの運用精度を確認すると
運用能力が見えてきます
※「今月の騰落率」は基準価額より算出 指数騰落率は月次レポート引用
上記グラフより、楽天VTが他ファンドよりも指数に対する上方乖離が大きかった
ことが分かりました。Slim全世界の騰落率が微妙に高かったのも、指数に対する
上方乖離だったんですね。
楽天VTが指数に対して乖離する理由は、先日楽天投信投資顧問からいただいた下記
回答記事を参照ください
www.oyagakoniosieyou-fosterassets.com
3.各ファンドの純資産総額の推移と月次資金流入量の確認
ファンドへの資金流入は金融機関にとって大事な収入源となると同時に、投資家から
支持を得ているのかの指標になります。
よって純資産総額と月次資金流入のチェックは騰落率を比較する以上に大事です。
※毎月の月次資金流入は、投信情報まとなびの値を引用しています
興味深い結果です。なぜなら2019年5月度は各ファンドとも騰落率が-6.7%と下落
一方にも関わらず、月次資金流入量は増えています。特に楽天VTの増加っぷりは
先月比約3倍にもなります
一般的には相場が悪いとファンドの解約が増えて、結果的に月次資金流入が減る
印象です。受益者全員が逆張り思考があるとは思えません。季節的な何かがあるので
しょうか?
野村つみたてのライバルである、Slim(除く日本)との資金流入量比較
私は野村つみたてが最強と信じて疑わないので(笑)、ライバルは運用対象指数が
同じであるSlim(除く日本)との比較のみです☆
この2つのファンドの月次資金流入量と、月次レポートベースでの純資産総額の
推移を比較します
左の折れ線グラフより、月次資金流入でみると先月はSlim(除く日本)の方が少し
多い結果となりました。ほとんどタッチの差です。
累計資金流入でみると、野村つみたては流入資金も70億円超えを達成。Slim(除く
日本) は55億円超え達成となります。
楽天VTとSlim全世界の月次資金流入量が再び逆転しました
Twitterなどでは最近、楽天VTに関する良い評判はあまり聞きません。
大方Slim全世界に乗り換えている傾向なのですが、楽天VTの先月度月次資金流入量は
V字回復をしております。
推定できることは、なんだかんだ言っても楽天VTの純資産総額は200億円を超えている
=絶対的な受益者数の多さです。
そして楽天VTを懐疑的に見ている『インデックス投資家 × Twitter利用者』の絶対数は
そんなに多くありません。
つまり楽天VTの超大半のユーザーは、何も気にせず買い付けているのでしょう。
4.4つのファンドの累計資金流入量の推移と月次資金流入量
棒グラフ:月次資金流入量 折れ線グラフ:累計資金流入量の推移
世界時価総額比率(含む日本)
世界時価総額比率(除く日本)
実は楽天VTの純資産総額は4月から5月にかけて初めて減少したのですが、この記事で
あえて取り上げませんでした。理由は、月次資金の累計流入量(折れ線)を見る限り
増加しているからです。
なぜ楽天VTの純資産総額が減ったのかというと、それは純資産総額自体の大きさに
対する『-6.53%』の影響が大きいからでしょう。
純資産総額=受益者からの流入資金+ファンド運用利益(保有資産)
受益者からの流入資金が大きいと、ファンドの運用利益も大きくなります。
そして毎月の騰落率に影響を受けるのは、上記式の右側『ファンド運用利益(保有
資産)』だからです。
楽天VTの純資産総額は減った。しかし、累計資金流入は増えた=投資家達が
買っているので問題なし。
これらの理屈から、特にトピックスとして取り上げませんでした。
これにて2019年5月度の、全世界株式インデックスファンドの成績比較を終わりに
したいと思います。
↓↓ブログランキングの投票ボタンです。
良ければ、ボタンをクリックしてもらえると嬉しいです☆