おはようございます
私の会社では6月のみに、企業DCマッチング拠出の拠出額変更、制度移管金の
支払と運用先の設定等、退職金に関わる重要な選択があります。
私のブログを同じ会社の人が何人読んでるかは知りませんが、自己認識の整理も兼ねて
改めて企業DCの基本戦略を考えたいと思います。
とりあえず結論からいうと
①マッチング拠出は年齢&運用商品関係なく、満額拠出するべし
②50歳未満の場合、運用先は先進国(or 全世界)株式100%がBEST
③50歳以降の人も、とりあえず国内債券インデックスで運用しよう
1.企業DCと企業DBを改めて理解しよう
いわゆる企業年金は退職金ですので、従業員が定年(仮60歳)まで勤務すると
考えると、会社としては30年以上の期間をかけて用意する時間があります。
銀行預金は0.001%という無いにも等しい金利ですが、退職金を用意してあげる
会社からすると、従業員への退職金となる元本を株や債券を通じて運用することで、
運用で増えるのが前提なら、会社としては元手を少なくする事ができます。
このように勤務年数に応じて決まった企業年金(≒退職金)を確定しておく制度を
企業型確定給付年金(企業DB)と言います。
企業DBは、従業員からすると何でもかんでも会社がやってくれるので便利な
制度ですが、会社からすると支払う退職金が確定してしまっているので、運用によって
確定金額に到達していない場合は、会社が追加で補填する必要があります。
しかしながらバブル崩壊以降、日本は超低金利が続いていますので、
退職金(企業年金)の運用も当時の様に順風満帆にはいかなくなりました。
それにも関わらず支払う退職金が確定している企業DBでは、不足分を会社が
補填する負担がつきまとう為、会社としては体力(お金)を削られることに
なりますね。
そこで用意する元本(拠出)は同じだけど、運用は自分達(従業員側)で宜しく!
これまでの予定退職金額に到達していなくても、払った元本は同じ額だから
補填はしないからね!
ってのを、企業型確定拠出年金(企業DC)といいます
文字とグラフだといまいち分かり辛いかもしれませんので、表にして
まとめてみました。
2.マッチング拠出は年齢&運用商品関係なく、満額拠出するべし
確定拠出年金(企業DC、iDeco)の最大のメリットは、大きく2つ
①自分が拠出したお金が、所得に対して控除される
②運用期間中の利益が、永久非課税
特に①のメリットが大きく、極論、確定拠出年金(企業DC、iDeco)にて
元本保証型の定期預金へお金をいれ続けてるだけでも、自分が拠出した分だけ
所得から控除されますので、企業DCで自分のお金を出せるマッチング拠出制度が
あれば、有無言わさず満額拠出したいところです。
では企業DCによる節税効果をざっくり計算してみましょう。
日本人の労働平均年齢&年収は41歳&約420万円です。
この条件を基に企業年金がある会社が企業DCでマッチング拠出を毎月1万円
行った場合、60歳までの20年間での節税効果は下記の様になります
20年間で節税の累計34.2万円を割ると、年間1.71万円の節税になりますが、
この金額を少ないと思っては駄目です。
世界中の株式へ分散投資をしても、リターンは高めに見積もっても年間6%
節税額の年間1.71万円は、仮に毎月の拠出額(自分1万+会社1万)2万円×12ヶ月の
年間24万円に対して7.1%に該当します。
投資によるリターンは確約されてませんが、減税によるマイナスリターン控除は
実質的なプラスリターンになります。
そして節税で浮いたお金を、つみたてNISA等に投資することで、
さらなる投資効率が高まるのです。
3.50歳未満の場合、運用先は先進国(or 全世界)株式100%がBEST
私の勤務先企業DCの先進国株式クラスの商品として、野村DC外国株式
インデックスFが用意されており、企業DCの投資先はこれ1本が最適解になります。
勤務先企業DC制度のラインナップによっては野村DC外国株式インデックスFが
無い可能性がありますので、より正確な表現をさせていただくと、インデックス
ファンドの運用対象指数がMSCI KOKUSAIであればOKです。
確認の仕方は交付目論見書2~3ページ目に下記添付の様な「ファンドの目的」って
ページがあり、だいたい似た様な表現をされています。
そして同じく交付目論見書の「ファンドの費用」が書かれたページ内に記載されてる
「信託報酬」が、0.5%未満なら投資適合ファンドと考えれます
話を少し戻して「外国株式」と聞くと犬猿しがちですが、この野村DC外国株式
インデックスF(正確にはMSCI KOKUSAI指数を対象としたインデックスファンド)が
投資としている国・株式は、日本を除いた先進国22カ国の1400社以上に分散投資
されており、世界の時価総額80%近くをカバーしていますので、自分の稼ぎ以外に
世界中の企業の稼ぎにもあやかれます。
野村DC外国株式インデックスF(対象指数:MSCI KOKUSAI)を積み立て投資にて
過去10年前・5年前・3年前から実施していた場合、全て元本に対してプラスリターンと
なっています。
過去のリターンが将来のリターンを保証する訳ではありませんが、幅広い株式に
分散投資をすれば、長期になればなるほど、利益が出ることが分かります。
ついついホームカントリーである日本株式を組み入れたくなりますが、私は
無理に日本株式を入れる必要はないと考えてまして、理由は2つ。
①日本の株価指数(TOPIXや日経225)は未だにバブル時代の最高値を更新できない
②日本の企業で働いて日本円で生活してるのだから、既に日本の資産を
多数保有しているのだから、外貨建ての分散が大事
私の勤務先企業DCのバランスファンドは、国内株式の割合がかなり大きいので、
これはお勧めできない理由になります。
4.50歳以降の人も、とりあえず国内債券インデックスで運用しよう
この年代の人は概ね思考が凝り固まってしまってるので、大多数の職場のおじさんは
企業DCが導入された際には「余計なことをするな」とぼやいていました。
いやいやいや、65歳まで雇用延長する為の原資を確保する一環として、企業DCが
導入されてるのだから、俺らにしてみれば「余計な延長をするな」と
言いたくなります。。。
愚痴はさておき、50歳以降の人は必然的に運用を終わらすまでの時間が少ないので、
どうしてもボラリティ(変動)の小さな運用が求められます。
複数の商品を組み合わせてポートフォリオを組むのは心理的ハードルが高くなるので、
私が提案するなら
①少しでもリターンを高くしたい人:プライムバランス安定型
②リスクは最小限で、ちょびっとリターンで良い人:国内債券インデックスファンド
このどちらかを100%買い付けでOKだと思います。
参考までに、上記2商品のリターン&リスクです
給与は人生で1番高い水準になってるでしょうから、マッチング拠出は迷わず
100%拠出してしっかり節税し、浮いた分は無駄遣いせず貯蓄にまわすべきですよ。
投資にリターンは確約されておりませんので、あくまでも自己の責任で判断し、
末永く運用してください。
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-----------------------------------------------2018年11月3日追記------------------------------------------
制度移管金を用いた、インデックス投資によるタイミング投資です。
単なる退屈しのぎでリターン向上を狙えればラッキーですね☆
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------------------------------------------------2019年4月20日---------------------------------------------
確定拠出年金のデメリットとして『60歳までの資金拘束』が槍玉にあげられますが、
制度を正しく理解していないとデメリットとなる要素は他にもあります
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-----------------2019年5月6日--------------------------------------------
確定拠出年金の出口戦略に関して、制度にまつわる手数料・運用期間から考察を
まとめています。運用戦略の参考になれば幸いです