こんばんわ☆
投資に関する優良書籍では、アセットアロケーションを検討するうえで債券クラスは
株式クラスのクッション用に組み入れるべきと書かれていますが、それは主に金融の
中心地である米国を基準としている為、米国民からしたら為替リスクを負ってまで
海外株式・債券に手を出す理由はありません。
米国基準の考えを基に海外債券クラスを保有したとしても、相場下落時は円高に
振れる傾向がある為、海外債券クラスの基準価額も低下してしまいます。
つまり海外債券クラスはクッション作用どころか、一緒に下落していくのです。
2018年は好調相場が一転して何度か下落を繰り返しておりますので実際に債券を
組み入れてる場合と、債券クラスに為替ヘッジをかけていた場合で、どれ程の
クッション効果があったのか検証したいと思います。
1.為替ヘッジとは?
まずは野村先生に聞いてみましょう!
外貨の先物取引やオプション取引を利用して、為替変動リスクを回避すること。
海外資産に投資する場合、外貨建てでは運用収益が得られたとしても、為替変動により円換算すると資産価値が下がる可能性があり、為替ヘッジを行うことで、
こうした損失を抑制できる。
通常、円高による為替差損を回避する目的で行われることが多く、外貨建て資産に投資をすると同時に外貨売り円買いの先物予約をして将来の為替変動に備える。
その際、為替相場の円安局面で得られる為替差益は犠牲になる。また、為替ヘッジ
する際には2国間の短期金利差相当のヘッジコストがかかる。
なお投資信託の中で、円ヘッジ海外債券型ファンドはこの仕組みを利用しており、為替リスクを低減したファンドとして注目されることも多い。
簡単に言うと、ヘッジコストを払うことで為替影響を無くし、All 円建で
投資している状態にしましょう!ってことです。
特に債券クラスのリターンは株式クラスに比べて小さく、せっかくのプラスリターンも
為替影響で簡単にゼロ近くになってしまいます。
そういう意味で債券クラスに為替影響をなくす為替ヘッジを付けるのは効果的なの
ですが、為替ヘッジコストは信託報酬以外に追加されるので、そのヘッジコストが
どれだけ発生するかは事前に分からないとこは注意が必要です。
2.セゾン&楽天インデックスバランスシリーズで効果を比較
手軽に比較できそうなファンドが3つあるので、これらファンドの基準価額を
ベースに、騰落率による違いをみたいと思います
<株式100%>
<株式50%:債券50%>
セゾンバンガード・グローバルバランスファンド
<株式50%:債券50%(為替ヘッジ有り)>
楽天インデックスバランス(均等型)
楽天インデックスバランスは2018年7月に設定されたばかりなので比較期間は
短いですが、逆に言えば信託報酬の影響もでにくいです。
そして8月以降は米国金利上昇によってトルコ通貨ショックなど、様々な国に影響が
出始めたので、下落相場を検証するには丁度いいかもしれません。
さっそくチャートを作成してみました ※データは2018年10月26日までを使用
さすがに株式100%はボラリティが高いですが、最大下落となった10月は、債券50%の
為替ヘッジ有無で影響があまりでてませんね?
チャートだと細かい部分が分からないので、基準価額のMAXーMINを抽出しました
為替ヘッジ有無での騰落率の歳は、0.23%しかありませんでした。
当然ながら8月から10月末までの区間で為替USD/JPYは0.3%ほどしか円高に振れて
ないので、こんなもんでしょう。
しかしこれだと、海外債券クラスの分散効果も為替ヘッジ有無の影響もあまり
分かりません・・・
ここがポイント!
為替ヘッジは、為替変動が大きく発生しないと効果がほとんどありません
3.野村 Fund's-iシリーズの合成にて検証
はい。手を抜かず、長期間を使って検証してみたいと思います。
比較検証に使う投資信託の条件は下記の通り
・運用期間:5年以上
・信託報酬は同水準のもの
・同じ運用会社で株式クラス、債券クラス&為替ヘッジ有無を保有している
これら3つの条件で調べると、野村AMの野村インデックスFund'-iシリーズが
該当しました。旧世代とはいえ、低コストなインデックスファンドの代表銘柄なので
文句ないでしょう。
アセットアロケーションの組み方は下記3パターンにて、毎営業日リバランスを行った
状態を維持します
・株式クラスの比率は日本:先進国:新興国を1:8:1
・債券クラスの比率は先進国:新興国を9:1
・株式と債券クラスの比率は株式100%、株式:債券(為替ヘッジ有無)を50:50
の3通り
2013年9月12日~2018年10月26日までのチャートになります
全体のチャートが出来ました。今回は為替ヘッジの影響もしっかり見たいので、
USD/JPYチャートより為替変動の大きかった区間から、騰落率の検証範囲を決めたいと
思います
USD/JPYのMAX~MINが、基準価額のMAX~MINとほぼ合致してますので比較で
きそうです。まさに暴落期間と言えますね。
では上記赤枠で囲った部位の騰落率を表にしてみました
かなり明確な差異がでました。この結果より言える事は下記2つ
①債券50%(為替ヘッジ無し)を組み入れても、下落率は株式100%に対して
半分以下(約20%)にならないので、為替ヘッジなしの海外債券を組み入れる
分散効果はほとんどありません。
これだと余計な信託報酬を払ってまで債券クラスを入れずに、 株式の投資額を
半分にすれば解決となります。これが、山崎元さんが海外債券は不要と言っている
理由の1つになります。
②債券クラスに為替ヘッジ有りを組み入れることで、為替変動が大きいときは
明確なクッション効果を発揮できる
プラスリターンの差異は為替ヘッジコストの影響まで考慮してませんので分かり
ません。それを検証するには為替変動と株式&債券リターンを分離する必要が
あるのですが、ここでの検証は控えたいと思います。
4.まとめ
今回の検証結果をもって、為替ヘッジ有りの有用性が分かりました。
暴落に対して不安を抱く人は、プラスリターンよりもマイナス側への変動に対応
する為にも、為替ヘッジ有りの海外債券を組み入れる価値はあります。
★★★
先日はインデックス投資の出口戦略を検証したのですが、そこでの結論は資産取り崩し
時期に株式100%はボラリティが高すぎる内容でした。
www.oyagakoniosieyou-fosterassets.com
そういう意味で人生の終盤戦は教科書通り株式の割合を減らして、債券クラスの割合を
増やしていくべきでしょう。海外債券を組み入れるなら、為替ヘッジ付きを推奨
します。
その際の選択肢としては、債券クラスが為替ヘッジ有りの楽天インデックス・バランス
ファンドは打って付けですね。
具体的には、株式100%の投資信託がつみたてNISAの非課税期間20年が終わる
タイミングで40万円全て売却し、楽天インデックス・バランスファンドを買いつける
のです。いわゆる投資信託のスイッチング的な作業です。
私が資産取り崩し段階に入るのは ま~~~だまだ先ですが、1つの出口戦略手法を
見据えておくのは、余計な不安を取り除けたと思います。
いや~今回の検証も手間かかったけど、だいぶ小慣れてきた自分が気持ち悪い(笑)
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