おはようございます
私は日本の株価指数(日経225 or TOPIX)に投資をしたくないので、投資信託を
1つに絞るにあたっては、MSCI ACWI(日本除く)を目標指数にした商品を
選んでいます。
その投資スタイルを実行する為に、推定実質コストが最安値である野村つみたて外国株投信を毎日積立で購入しています
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よって、野村つみたて外国株投信は、日本を含めた世界中の株式へ投資を行う
楽天・全世界株式インデックスとは立ち位置が異なるので、野村つみたて外国株投信の
人気があまり無くても、気にせず毎日積立を行っておりました。
しかしeMAXIS Slim全世界株(日本除く)の登場により、野村つみたて外国株投信は
存続自体が危ぶまれております・・・
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1.投資信託の収入源である信託報酬に関して
金融機関が投資信託を販売・運用・保管する為に、信託報酬に対してそれぞれ
取り分を決めています。
※野村つみたて外国株投信の交付目論見書より
上記表から分かる通り、金融機関の収入源である信託報酬は、○○○円って
絶対値ではなく、比率となる%表示です。
その比率を決める掛け算の大元となるのが、純資産総額になります
※野村つみたて外国株投信の交付目論見書より
とどの詰まり、金融機関にとっては投資信託の純資産総額が大きくならないと収入が
増えません。
金融機関は慈善団体ではないので、どれだけ金融庁が睨みをきかせて
つみたてNISA用の商品を取り揃えさせても、事業存続性がないのなら繰上償還という
手法にて投資信託の運用・取り扱いを強制終了することが可能です。
このリスク(危険)に対しては、投資家側に付きまといます。
しかしインデックスファンドは特徴付けるのが非常に難しく、基本的に
「指数」「信託報酬」の二つしかありません。
そういう意味で言うと、楽天・全世界株式インデックスは皆の憧れVTを間接的に
買えるようにしたので、素晴らしいマーケティングだと思います。
2.野村つみたて外国株投信 vs eMAXIS Slim全世界株
検証①:推定実質コスト
実質コストとは、投資信託の運用中に信託報酬以外に発生する費用で、主には
有価証券の売買にかかる手数料や税金、保管費用です。
詳しくは下記記事を参照願います
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本来は信託報酬ではなく「実質コスト」で表現するのが正しいはずですが、
残念ながらモーニングスターやまとなび含め、どこの情報サイトでも
発信してくれていません。
よって、実質コストを知るには個人が運用報告書を基に算出するしかないのが
実情です。
ではさっそく、野村つみたて外国株投信とeMAXIS Slim全世界株(日本除く)の
推定実質コストを比較してみたいと思います。
野村つみたて外国株投信は運用開始から時間も経っておらず、eMAXIS Slim全世
界株(日本除く)に至ってはまだ販売開始すらしていません。
しかし、ファミリーファンド形式で運用する投資信託なら、共通するマザーファンドを
利用したベビーファンドの運用報告書より、マザーファンドの運用中に掛かった費用が
分かります。
※野村つみたて外国株投信とFund'-i先進国&新興国の交付目論見書より
マザーファンドの運用コストに、ベビーファンドの信託報酬を足すことで、
推定実質コストが算出できることになります。
よって、推定実質コストベースで比較をすると、eMAXIS Slim全世界株(日本除く)が
野村つみたて外国株投信に対して0.003%優位性があります。
検証②:人気投票
実質コストは個人で算出する必要があるので、投資に興味がある人や、我々
投信ブロガー以外の人は、あまり実質コストを気にされていません。
先進国株インデックスファンドでは たわら先進国の運用コストが圧倒的に
安いのですが、FOY2017での順位も ニッセイ>たわらになっています
FOYランキング
FOYの投票権は投信ブロガーにしかありませんが、それでもたわら先進国より
ニッセイ先進国の順位が上なのは、投信ブロガーの中にも、あまり実質コストを
気にされていない人が多数いらっしゃることが分かります。
そうすると目標指数が同じ商品である限り、人気表では信託報酬が
重要視されていることが推察できます
つまり、信託報酬:0.19%の野村つみたて外国株投信と、信託報酬:0.142%の
eMAXIS Slim全世界株(日本除く)の人気投票になると、信託報酬が安い
eMAXIS Slim全世界株(日本除く)に優位性があります
検証③:販売方法の違い
投資信託の購入にあたっては、その都度日付と金額を決めるスポット購入と、
定期的な購入日付・金額を決めておく積立購入の2つがあります。
・野村つみたて外国株投信:積立購入しかできない
・eMAXIS Slim全世界株(日本除く):スポット&積立両方可能
ではFOY2017の1位と4位である楽天・全世界株式インデックス(1位)と
野村つみたて外国株投信(4位)を題材に、販売方法違いによる資金流入量と
純資産総額の推移を見てみたいと思います。
野村つみたて外国株投信は「積立投資」でしか購入ができない為、
累計資金流入量(緑の線)が運用月に比例した線になります。
それに対して楽天・全世界株式インデックスは、FOY2017の結果発表が
1月13日にも関わらず、1月の月次資金流入(オレンジ棒)が前月比4倍に
増えています。
楽天・全世界株式インデックスは購入方法に制約がないので、恐らくFOY2017の
結果発表を基に、スポット購入した人が大勢いるのだと推定できます。
※積立設定額の大きい人が増えた可能性もあります
よって、販売方法による優位性はeMAXIS Slim全世界株(日本除く)にあります
3.それで、どっちを選ぶ!?
コスト・人気・販売方法の3つの観点から検証した結果、推定実質コストは
野村つみたて外国株投信に若干の優位性があるものの、商品コンセプトが
同じなら、eMAXIS Slim全世界株(日本除く)に軍配が上がります。
この状況を野村つみたて外国株投信が打開するには、下記2つを
実施しないといけません。
①信託報酬を0.19%⇒0.141%に値下げし、MSCI ACWI(日本除く)を目標指数とする
インデックスファンドで、信託報酬最安値をPRする
②販売方法を積立のみ⇒スポット購入も可能にし、ユーザーニーズに応える
日本のインデックス投資信託市場は規模が小さいので、いかにユーザー目線にたつかが
薄利多売を制する要素になると考えます。
野村つみたて外国株投信には「FOY2017で4位」という輝かしい功績があるので、
それを武器にFOY2018までにパイを囲わないと、eMAXIS Slim全世界株(日本除く)に
投資家が流れていく可能性があります。
私の選択としては、eMAXIS Slim全世界株(日本除く)の純資産総額が
野村つみたて外国株投信に追いついた時点で、毎日積立の銘柄を
eMAXIS Slim全世界株(日本除く)に変更します。
残酷な言い方になりますが、インデックスファンドに必要なのは理念より、
安定した運用・安いコスト・存続性 この3つになります。
楽天・全世界株式インデックスはVTを間接的に保有できる商品コンセプトが
ありますが、野村つみたて外国株投信とeMAXIS Slim全世界株(日本除く)には
それがありません。
野村つみたて外国株投信は昨日時点で純資産総額が節目となる10億円に
到達しましたが、 どうやら存続をかけた1年となりそうです。
頑張れ!野村つみたて外国株投信!!
ん~やはり、積立設定しかできないのが致命的かな(^^;
ーーーーーーーーーーー2018年6月追記ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
よくよく見ると、eMAXIS Slim全世界株(除く日本)が対象とする指数は、
「配当含まない」でしたので、ここはマイナスポイントです
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ーーーーーーーーーーーー2018年8月中旬追記ーーーーーーーーーーーーーーーー
野村つみたて外国株投信は「積立設定しか出来ない」ことがデメリットと思って
ましたが、何やら状況が変わってきましたね。
「積立設定しか出来ない」ことがいわゆる現状維持バイアスとなり、資金流入額が
野村つみたて外国株投信の方が上回ってきました
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ーーーーーーーーーーーーー2018年8月下旬追記ーーーーーーーーーーーーーーーーー
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