こんばんわ、きしやんです☆
楽天投信投資顧問が顧客本位の業務運営に関する基本方針として、楽天バンガード
シリーズを基に詳細な情報発信と、個人投資家からの質問に答えるサービスを開始
しました。
運用会社が質問に答えてくれるとのことなので、下記記事で書いた通り実行した結果
5月24日(金)に回答をいただいたのです。しかもけっこ~丁寧な回答をして下さり、
楽天投信投資顧問の熱意を感じましたね。
www.oyagakoniosieyou-fosterassets.com
実は楽天投信投資顧問から回答をもらった同じ日に、『個人事業主が節税してイン
デックス投資』の河童様も記事にされていました。ほぼ同じ日に、楽天投信投資顧問は
質問者へ回答していた事が分かります。
ちなみに私が質問した内容は、下記の通りです
楽天・全世界株式インデックスはFTSEグローバル・オールキャップ・
インデックス(円換算ベース)(以下、「対象指数」といいます。)に
連動する投資成果を目指しますとあります。
しかし今日までの月次レポートをウォッチングし続ける限り、ほぼ
±0.3%の乖離が発生しております。他社の全世界株式インデックス
ファンドでここまで継続的な乖離は見られません。
何が原因なのでしょうか? これは今後、改善されるのでしょうか?
1.そもそもインデックスファンドとは
お浚いも兼ねて。
インデックスファンドとは、自らが掲げる対象指数(ベンチマーク)に対してパッシブ
運用を行う投資信託を意味します。
楽天VTの場合、指数はFTSE・グローバル・オールキャップ・インデックス
(円換算ベース)に対して、パッシブ運用を行っています。ちなみに指数自体は
『配当込み』です。
www.oyagakoniosieyou-fosterassets.com
指数の配当込み・含まないに関しては、下記記事を参照願います
www.oyagakoniosieyou-fosterassets.com
2.楽天VTはパッシブ運用が出来ていない
当ブログでは毎月、全世界株式インデックスファンドの月次レポートを基に運用成績を
ウォッチングしております。その結果、特に楽天VTはベンチマークに対して上下に
乖離し続けているのです。比較対象として、私が投資している野村つみたて外国株
投信の指数との乖離グラフも掲載します
このことに対して、楽天投信投資顧問に質問しました。たしかブログ記事のURLも
添付したので、上記折れ線グラフは見てくれていると思います。
3.楽天投信投資顧問からの回答
頂いた回答の、重要な部分を抜粋します。特に大事なとこを赤文字にしました
楽天・全世界株式インデックスファンド(以下、楽天VT)に関しては、
評価時価の違いがございます。
楽天VTでは純資産のほぼ全額をVT(ETF)に投資しており、VTの評価
には前日の米国終値が使用されます。VTは上場しておりますので、終値は
市場参加者の需給によって決定され、その終値には米国外の銘柄を含む
すべての構成銘柄の米国クローズ時点での市場期待値が反映されていると
考えられます。一方、対象指数であるFTSEグローバル・オール
キャップ・インデックスは、構成銘柄の現地市場での終値を用いて算出
されています。従いまして、米国銘柄については、VTと対象指数において
評価の乖離は大きくないと考えられますが、米国以外の銘柄については、
各現地市場のクローズから米国クローズまでの数時間における市場評価の
変化による乖離が発生することになります。また、対象指数(米ドル
建て)ではロンドン時間午後4時の為替レートが使用されていますので、
為替レートもVTと対象指数の乖離を生む要因となっています。
繰り返しになりますが、評価時価の違いはあくまで一時点で輪切りにした
ことによる乖離ですので、この乖離は時間の経過とともに収斂していき
ます。
まさかここまで丁寧に回答してくれるとは思いませんでした。
頂いた回答を咀嚼すると、指数は現地市場の終値を反映しているのに対して、実際に
運用しているVTは各国の市場終値を反映しています。つまりこの時差が為替差と
なって乖離の原因になっていると、受け取りました。
ましてや楽天VTは米国市場がクローズしてから円換算しているので、さらに
時差=為替影響を受けているわけですね。
しかし気になったのは最後の『この乖離は時間の経過とともに収斂していきます』
です。楽天投信投資顧問がいう『時間』とは運用期間のことなのか、純資産総額の
増加を意味するのかは不明です。
楽天VTを信じれば、いつかは指数との乖離は解消するのでしょうか?
4.検証してみます
そもそも楽天VTの指数に対する乖離がどのレベルなのかを、同じ運用期間の
野村つみたて外国株投信と比較します
楽天VTの指数との乖離度合いは野村つみたて比で以下の通りです
平均:2.75倍
標準偏差:3.375倍
いかに楽天VTの乖離が大きいかが分かりますね。
では次に、楽天VTの指数との乖離と純資産総額の推移を集計しました
このグラフから楽天VTの指数との乖離を、純資産総額を50億円刻みの区間にて
平均&標準偏差にて比較して見てみましょう
さて。楽天投信投資顧問は『乖離は時間の経過とともに収斂していきます』と回答して
くれましたが、楽天VTは1年半の運用期間と純資産総額が200億円に到達しても、
指数との乖離は収斂する気配がありません。
楽天VTはマザーファンド(=ベビーファンド)をイチから作っているので、運用規模で
いうと野村つみたて外国株投信やeMAXIS Slim全世界株(除く日本)と比較すると
まだまだ弱小なのは明白です。
楽天VT:200億円
野村つみたて外国株投信のマザーファンド合計:約5700億円
eMAXIS Slim全世界株(除く日本)のマザーファンド合計:4900億円
※2019年6月2日時点での、掲載されている請求目論見書より
楽天投信投資顧問の言葉が本当なら、楽天VTの運用が安定するには何億円の
純資産総額が必要なのでしょうか?
いただいた回答には明確な数値が掲載されてませんでしたし、純資産総額が100億円を
超えても変化が見られないので、あまり期待できないでしょう。
そして楽天VTのもう1つの致命的な問題は、eMAXIS Slim全世界株(オールカント
リー)の登場によって存在感が薄れているとこです。個人投資家が楽天VTは見限って
いるのは、月次資金流入を比較してみると一目瞭然です。
先月にはついに、楽天VTの月次資金流入量をeMAXIS Slim全世界株(オールカント
リー)が追い抜きました。楽天VTは下手をすると、この先資金の流出超過の可能性が
待ち構えております。
以上の検証結果から、楽天投信投資顧問からいただいた回答への熱意と誠意には感謝
申し上げますが、当ブログとしては、楽天VTへの懐疑的なスタンスに変わりはありま
せん。
楽天VTのETFを買い付けるだけのスキームをセゾン投信が選択しなかった意味は、
ここにあったのか?この辺はいつか、セゾン投信の中野社長に聞いてみたいとこです。
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