バンガードの頭文字はVですがまぁ、旬な人達なのでBで行かせて下さい・苦笑
8月26日(土)に嫁&子供(幼稚園児)と一緒に、熊本市内で開催されるセゾン投信
10周年を記念した、セゾン投信と盟友バンガードとの10年の歩みを聞いてきました。
※セゾン投信編も合わせるとめっちゃ長くなりそうなので、2回に分けました
↓↓はセゾン投信verとなる 前編です
okanetotousinosekai.hatenablog.jp
■バンガードサイド
⑦バンガードの経歴
配布されたのは下記3点の資料で、メイドオブバンガード100%を基に
セミナーが始まりました。 ※撮影場所:セミナー会場ではありません
お話をしてくださったのは元フィデリティで勤務されていた、現在
バンガード・インベストメンツ・ジャパンのセールスクライアントサービス本部長
小林さんです。
中野社長からの紹介文言は「ただのオジサン」でした・笑
創設者のジョンボーグルの生い立ちから始まり、創業翌年の1976年に市場平均しか
追わないインデックスファンドを世界で始めて作ったのが、このバンガード社です。
金融業界は、誰よりも最大パフォーマンスを目指すゲームが投資と言われていた
時代に、市場平均しか追わないこのインデックスファンドに対して
ボーグルの愚行と言いました。
ボーグルの愚行と言う真の理由としては、インデックスファンドは市場平均に
追従するだけの為、金融機関は株式の売買回数が減って収入の低下に繋がるので
インデックスファンドの存在を叩きたかったのです。
しなしながらバンガードは全ての投資家に公平に向き合う為に、
インデックスファンドを販売した翌年にノーロード(販売手数料なし)&直販を始め、
投資家の不利益になるコストを徹底的に削減する為に、不必要な宣伝や
マーケティングもしませんでした。
宣伝やマーケティングをするには投資家から頂いたお金を使って(信託報酬)
実施する為、バンガードの評判は口コミのみで広がる宗教団体みたいな
存在だったそうです。
そんな中、リーマンショックの時に株価が暴落し、多くのヘッジファンドが
ガタガタになる中、バンガードは投資家からの悲壮な問い合わせに対して常に
「慌てては駄目です。今は待つときです」と訴え続けた甲斐があり、バンガードに
投資をしていた多くの投資家は資産を守り続け、リーマンショック前後で
バンガードが扱う総資産は100兆円⇒484兆円になりました。
日本の投資信託市場での全資産合計で100兆円ですから、イカにバンガードが
大きい存在かが分かります。
⑧会社構造
どんなけ金融機関がフィデューシャリーデューティー(受益者責任)と
言っても、一般の投資信託会社(運用会社)には外部株主が存在する為、
外部株主のヘッジファンドが5年で利益を出せと言えば売りたくもない
高コストな投資信託を売ったりするしかない為、本当の意味で
投資家の為だけに事業をする事が非常に難しいです。
それに対してバンガードは、投資家から預かったお金で、バンガードの
ファンドがバンガードの株式を保有する形をとっているので、
バンガードには外部株主がいません。
バンガードの投資信託を買ってる投資家がバンガードの株式を保有している
構図となっており、バンガードは自社の投資信託を買ってもらってる
投資家=株主の為に仕事をする事になり、それを信託報酬の低減という形で
還元しています。
※サラッと言われた為いまいち理解できなかったのですが、言わんとしてる所は
たぶん合ってると思います・・・
⑨独自性を形作る3つのポイント
「顧客第一主義」「低コスト」「長期投資の視点」である。
事業はシンプルにすればするほど会社の経営は難しくなり、多くの運用会社は
何かよく分からないけど複雑で何か儲かりそうと思ってしまうまやかしな物を
販売しています。
それに対してバンガードは会社の構造が示すように、外部の意思が入らない様に
する事で顧客第一主義をとれる体制とし、株主=投資家へ還元する形で
信託報酬の低コスト化を実施しています。
長期投資という視点では、日本はどうも投機的な投資スタイル・思考が多く、
バンガードが日本に参入するのには非常に悩まれてた所、セゾンがやってる事は
バンガードが言っている事と同じだという会社を見つけて、パートナーとして
組ませてもらったみたいです。
⑩投資哲学「ゴール」「バランス」「コスト」「規律」
<ゴール>
バンガードの投資信託の中に、アメリカ名門女子大のウェルズリーと
同じ名前のインデックスファンドがあります。
それは、投資はいつまでやるかを明確にしておく必要があると言われ、
いわゆる出口戦略の話ではなく「長期投資」を意識してもらう為であると。
すなわち、そもそもゴールははるか先なのだから、目先の損得を追求して
日々の相場に左右されない気持ちでいることが大切です。
<バランス>
2000年初頭のITバブル時代、バンガード以外の金融機関は取り扱い銘柄を
IBMやマイクロソフト等のIT銘柄に集中しており、多大な利益を出してました。
周囲からはITの時代に、なぜ土建等の関係ない銘柄を扱ってるのだ?と、
ずいぶん馬鹿にされたらしいのですが、バブル崩壊と同時にIT銘柄に集中していた
ファンドは大損にあいました。
アメリカの不動産高騰期、バンガードのある若手アナリストが
「このサブプライムローンは危険なんじゃないか?」の一言を発端に
バンガードは調査に乗り出した結果、サブプライムローンを取り扱う銘柄には
一切手をださず、これも最終的にはリーマンショックによって多くの金融機関が
倒産するはめになりました。
とどのつまり、流行には手を出さずにバランスよく保有する事が大事である。
<コスト>
信託報酬は年間に対する割合が表示されているが、実際は日割りで徴収されている為
投資家は非常に体感し辛いです。
しかしながら高コストなファンドは、特に暴落後の回復局面に於いては
世の中の市場平均が少しずつ回復していてもコストの高さが足を引っ張ってしまい、
高コストファンドは一向に回復の兆しを見せません。
投資家が唯一コントロール(選択)できるのはコストのなので、低コストな
ファンドを選ぶ事は非常に大切です。
昨今はバンガードより低コストなファンドが登場しているそうですが、
世の投資家は単純にコストだけでなく、アドバイスや市場暴落時に安心させてくれる
サービスがあるからバンガードを選んでくれており、その為に必要な信託報酬を
払ってくれているので、どんどん資金がバンガードに流入する動きに
変化がありません。
バンガードは信託報酬が非常に安いけど、運用資産が480兆円って莫大にあるから
安定したサービスが維持できるので、既に他社が参入する余地がないレベルにまで
差が広がっているそうです。
<規律>
市場暴落時、何でか分からないけどひたすら株価は下落していきます。
暴落とは不安が不安を呼ぶため、投資のプロであっても感情をコントロールしきれず
保有していた銘柄を不安な為に手放してしまいます。
逆に上昇相場の時は、ちょっと利益が出ると自分は投資の才能があると勘違いし、
もっと儲けようと感情的に走ってしまう為、自分が許容できるリスク以上の
投資をしてしまいます。
よって、何らかの規律を決めて運用するのが大事で、セゾン投信のグローバル
バランスファンドは世界の時価総額比率で株式・債券を保有するのが
決められているので、ファンドマネージャーがその規律を守ってリバランスを
してくれるので、投資家は安心してられます。
この哲学に関する4つの事を守るのが長期投資を成功させる秘訣であり、
フィデリティが2003年~2013年に顧客口座の運用パフォーマンスを調べた所
パフォーマンス第一位は既に他界されている人でした。
この他界された人のファンドは完全に忘れ去られた放置プレイ状態で、
それでも運用パフォーマンスが一位だったのは日々の値動きで売買したりせず
余計な手数料を払うことなく保有していたからです。
よって、セゾン投信のグローバルバランスファンドの様な国際分散投資信託を
積み立ててで買い続けて、たま~に思い出した時に成績を確認することが、
長期投資で最大パフォーマンスをたたき出す「一番簡単な方法です」の言葉で
締めくくられました。
かなり長くなりましたが、これにてセゾン投信セミナー with Vの終了でございます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
セミナー終了後、中野さんにお礼を伝えたくて私から
「うちの子供も、セゾン投信で積立投資してるんですよ~」って言ったら、
中野さんはしゃがんで うちの子供に
「長期投資だね~♪」って、にこやかに話しかけてくれました。
子供の金融リテラシーを育ませる為に、熊本セミナーがあれば毎年来ようと思います。