投資信託で積立投資を実践するにあたり、やはり主力となるのは先進国株式の
インデックスファンドです。
今年は新興国株式のリターンが非常に高いですが、残念ながら新興国の利益は
先進国側の製造コストとして搾取される割合が多いのが現状で、新興国の成長の
果実は、先進国に持っていかれています。
ちょうど先日、12月11日に当ブログ推し先進国株式インデックスファンドの
たわらノーロード先進国株式の運用報告書がUPされたとSBI証券より
連絡が来ましたので、実質コストをチェックしてみたいと思います
以前、実質コストに関する記事をUPしました
okanetotousinosekai.hatenablog.jp
ではさっそく、たわノーロード先進国株式の運用報告書を見てみましょう。
実質コストに関して記載されてるのは、6ページ目の1万口当たりの費用明細です。
たわらノーロード先進国株式の信託報酬は0.243%です。
しかし、その他もろもろのコストを積み重ねると1万口当たりに発生している
コストは赤線部位の信託報酬0.243%に、青枠内の追加コスト0.038%を加算した
赤枠内の0.281%が、たわらノーロード先進国株式に1年間に払っている
実質コストです。
なぜ信託報酬以外に費用が発生するのかというと、信託報酬はあくまでも投資信託を
1年間運用するのに必要な取り決められた費用です。
信託報酬0.248%分の取り分は上記1万口当たりの費用明細にも記載されてますが、
具体的には下記の通り。
投信会社(アセットマネジメントone):0.108%
受託銀行(みずほ信託銀行):0.027%
上記3社以外に運用するのに別途発生するのが追加コストです。
インデックスファンドの投資手法は目標指数の期待リターンを得るだけですので、
目標とする指数(例:MSCI-コクサイ)が他投資信託と同じなら、指数に対する
乖離が低く、且つ、実質コストが低いことが優秀な投資信託になります。
たわらノーロード先進国株式の様にファミリーファンド方式で運用している
投資信託は、実際に株式の売買を行っている訳ではなく、マザーファンドを
通じて間接的に株式の売買を行っています。
つまり追加コストとは、ほとんどがマザーファンドの運用中に発生する費用なのです。
同じ運用会社から信託報酬の異なる投資信託(eMAXISとeMAXIS Slimとか)が
あってもマザーファンドは同じですので、信託報酬以外の運用コストは
共通しています。
よって、共通するマザーファンドを通じたベビーファンド(たわら先進国株とか)は
信託報酬から推定実質コストを算出することが可能となります。
実質コストより見えてくる、真に優秀な先進国株
インデックスファンドはどこだ!?
たわらノーロード先進国株式の実質コストは、非常に優秀なのです。
しかしながら表に出るのは信託報酬がメインですので、FOYでは
頂点に輝けずにいます。
では、投信ブロガーが選ぶFund of the Yearで3連覇を成し遂げている
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの実質コストを
見てみましょう
信託報酬0.26%なのに実質コストは0.379%ですので、運用中に発生している
追加コストは驚愕の0.119%であり、たわら先進国株の3倍以上です。
それでもニッセイ外国株式インデックスファンドに人気が集まるのは、
表面的な信託報酬が最安値だからであり、実質コストで表示されると
今の人気を維持できないでしょう。
せっかくのなので、昨今信託報酬が非常に安い先進国株式インデックスファンドの
信託報酬を並べると下記の様になります。
※各社信託報酬の値下げ予定後の数値を掲載しています
信託報酬のみでランキングすると、相変わらずたわらは成績がイマイチですが、
これを実質コストで並べ替えるとまるで景色が変わります
※iFreeは運用期間が少ない状態での決算&追加コストの算出の為、精度が少し低い
実質コストランキングでたわらは2位に浮上し、信託報酬のみで上位1・2をとっていた
eMAXIS Slimとニッセイは最下位に転落しています。
i-SMTは先日登場したばっかりですので、運用開始初年度はコスト&指数に対する
乖離で苦戦すると思いますので、今年も先進国株式インデックスファンドの
実質覇者は、たわらノーロード先進国株式で決まりでございます。
<結論>
金融庁が選ぶインデックスファンドで信託報酬が最安値だからと言って、
それを鵜呑みにしてはいけません。
インデックスファンドは投資商品ですので、投資家たるもの本質を見て
投資商品を選びたいところです。