野村つみたて外国株投信と楽天・全世界株式インデックスの2017年11月度運用成績が
アップされたので、運用成績を比較してみたいと思います
<月次レポート>
1.野村と楽天、2つのファンドの特長
<野村つみたて外国株投信>
・目標指数:MSCI ACWI(日本除く)
⇒地域構成割合 先進国:新興国=8.8:1.2
・信託報酬:0.19%
・推定実質コスト:0.25%
野村つみたて外国株投信が利用するマザーファンドはFunds-i外国株&新興国株と
同じですので、双方ファンドの実質コスト-信託報酬を
先進国株式(0.03%):新興国株式(0.22%)の8.8:1.2で加重平均すると
(先進国株:0.03×0.88)+(新興国株:0.22×0.12)+0.19=0.25%(推定)
<楽天・全世界株式インデックス>
・目標指数:FTSEグローバル・オールキャップインデックス
※MSCI ACWIが大型・中型株がメインなのに対して小型株まで含まれている
⇒地域構成割合 先進国:新興国:日本=1:8:1
・信託報酬:0.24%
・実質コスト加味:運用開始直後の為、不明
・特徴:バンガードのETF「VT」を買い付けるだけのインデックスファンド。
ETFなどの価格は取引市場での需給変動の影響を受ける。
2.騰落率と純資産総額の推移
純資産総額の上昇は、楽天が野村をブッチギリで突き放していますね。
バンガードの名を冠する注目抜群なインデックスファンドですので、
人気の高さが純資産総額と月次資金流入量の多さに表れています
そもそも野村つみたて外国株投信は名前通り積立設定しかできず、
スポット買付けが出来きません。
さらに販売当初は野村證券&SBI証券のみの酷い扱いでしたので、いまだに
低知名度なのは否めません。
その差が資金流入量にも影響しているのだと思いますね。
しかし月事毎の騰落率で見ると、10月は野村つみたて外国株投信の方が
リターンが良く、設定来のリターンで見ても、野村つみたて外国株投信の方が
良い成績をたたき出しています
ここがおそらく、楽天・全世界株式インデックスに手を出そうか迷っている人達
全員の悩みかと思います。
3.指数との乖離
理屈上の期待リターンでは野村つみたて外国株投信の方が高いので、
トータルリターンは野村つみたて外国株投信の方が高くて当然だと思います。
しかしインデックスファンドである限り、求めるのは目標指数に対して
乖離しない運用になります。
目標指数が上がろうが下がろうが、0.1%の乖離もなく追従できるのが、
優れたインデックス投資信託です。
野村つみたて外国株投信と楽天・全世界株式インデックスはそれぞれ
目標指数が異なるので、正しく運用できているかは月次レポートに記載されている
下記赤枠内を確認すると分かります
10月分の月次レポートの内容を反映したのが、下記グラフです。
目標指数でありMSCI ACWIとFTSEグローバル・オールキャップインデックスの
リターンは上記右のグラフより、FTSEの方が高いのが分かります。
しかし楽天・全世界株式インデックスは運用開始最初の10月に、指数に対して-0.8%の
アンダーパフォームを出してしまっており、11月は指数との乖離は小さくなったが
-0.2%アンダーパフォームしているので、楽天・全世界株式インデックスは
指数に対して設定来-1.1%です。
この原因が運用手法なのか追加コストなのか、残念ながら月次レポートのみでは
分かりません。
野村つみたて外国株投信は設定来2ヶ月間、指数に対して安定した運用が
できております。
<まとめ>
世界中の株式へ分散投資が可能な楽天・全世界株式インデックスと、日本の指数を
捨てた野村つみたて外国株投信は、どちらも優れた投資信託であるのに
間違いありません。
新設投資信託は運用が安定しづらいのが通説ですので、楽天・全世界株式
インデックスのアンダーパフォームも、今は目をつむっておく必要があります。
しかし、それが絶えられない後悔なら、楽天・全世界株式インデックスは避けて
投資をやめるか、今は野村つみたて外国株投信を利用した方がいいと思います。
私は日本の代表指数(TOPIXと日経225)を投資対象として懐疑的に思ってますので、
それを含んでいない野村つみたて外国株投信を選んでいます。