子供が夏休みっていう超懐かしいスーパー長期休暇なので、親の私も自分磨きの為
読書に励んでおります。。。お金に関する趣味領域読書なのは内緒です・・・
ブックカバーが非常に地味な本ですが、こちらはフィデリティ退職・投資教育研
究所所長の野尻 哲史さんが書かれた本です。
・・・Kindle版で購入したので、そもそもモノクロ表示&現物みる事さえ
無かったのも、内緒です。。。
著者の野尻 哲史さんは金融系のコラム等でちょくちょく見かける人で、記事を読む都度
内容に共感・勉強になると感じる事が非常に多く、Amazonで調べてみたら何冊も
本を出版されており、タイトル買いしてしまった1冊です。
結論から申しますと現実的な目線で書かれた良書であり、読んで間違いない1冊です。
内容を要約すると
①長生きリスクへの対応 目安は95歳
②老後の生活費は、現役時代に対して以外に減らない
③資産運用は75際で卒業し、95歳で資産残高0円を目指す。
資産形成に関する内容はブログで書いてある通り、時間を見方につけて
イカに早い時期から国際分散投資をスタートさせて、老後は運用しながら
定額ではなく定率で取り崩すのはイメージしてた通りでした。
定額取り崩しだと、含み益が減っている状況では残高の減るスピードが
とてつもなく早くなる為、運用資金が減ってる時も増えてるときも
定率取り崩しにする事で、相場に影響されず残高の減り方を一定に出来ます。
現在の年金受給開始年齢は65歳となってますが、実は60歳からでも受け取る事が
可能で、前倒しすると65歳受給開始に対して総額3割程減ってしまい、
逆に70歳まで受給開始を引き伸ばすと貰える総額は65歳に対して
4割程増えますが、その前に死んでしまうと空手形決定の為、ちょっと
迷うとこですね・・・
①長生きリスクへの対応 目安は95歳
現在の男女平均年齢は男性80歳 女性が86歳ですが、これはあくまでも
平均年齢でしかない為、2人に1人はこれ以上長生きしますので、平均寿命を目安に
老後資産を使い込んでしまうと、文字通り2人に1人が破産の道を辿る事に
なり兼ねません。
下記グラフは年齢毎の生存率のグラフですが、90歳まで生存する可能性は
男性で5人に1人、女性に至っては2人に1人となり、今後の医療技術の発展で
LIFE SHIFT通り100年時代の到来となります。
「95歳を目安に」って言われるとほんまかよ?って思いましたが、
厚生労働省が、現在年齢に対する平均余命を発表した表が下記であり、
60歳時点男女の平均余命をプラスすると男性:83.55歳 女性:88.83歳と、
既に現在の平均寿命を上回る年齢まで長生きする事が分かっております。
②老後の生活費は、現役時代に対して以外に減らない
これが以外に盲点だと思うのですが、いざ子育てが終了して支出が減りだしても
75歳付近からは自分の健康を維持する為の「医療費」が年々莫大に増えていき、
最終的には毎月の医療費が10万円近くかかってしまう為、気付けば子育て時代と
変わらない出費となる事が書かれています。
「この金額で生活出来るんだ」って思うと、ついつい財布の紐が緩くなって
資産形成が手薄になってしまい、その生活スタイルが老後まで続くと
身についた浪費癖を正すのはダイエットと同じで、一筋縄にはいきません。
60代以降の夫婦世帯の平均支出は25万円ですが、仮に配偶者が他界したり、
そもそも最初から単身世帯にだったとしても、食費が少し減るのみで
税金や医療費はほとんど変わらない為、月の平均支出が16万ちょいレベルと
世帯人数が半分だからと言って、支出は半分にはなりません。
③資産運用は75際で卒業し、95歳で資産残高0円を目指す。
セゾン投信の中野社長をはじめ、いろんな有名なインデックス投資家の
ブロガーさんは「資産運用は生涯継続」と言われてるのに対して強烈な違和感を
ずっと抱いてましたが、この本を読んで自分の考えと本当に一致しました。
ポートフォリオをどんなけシンプルに構成しても、取り崩しながら運用するには
PC操作して現在の評価額に対して定率で売却し、口座に入金されたらそれを
現金として引き出す訳ですが、自分が認知症を発症し出した場合、はたして
今までの運用が出来るのか?ってのがずっと引っ掛かってました。
それに対するこの本での回答は、肉体的にも脳力的にも、運用は75歳で
止める事を推奨されており、実際に認知症が発生するリスクは75歳を境目に
急上昇する為、非常に理に適った線引きだと感じました。
とは言ってもインデックス投資は不確実性を含めた全てを受け入れる
平均値リターン狙いの投資の為、75歳までに取り崩す方法は全く
記載されていないので、その方法を我々個人投資家は知恵を絞って
インデックス投資には概念として存在しない「出口戦略」を考える
必要があり、それが一番解決し辛い課題でもあります。
75歳時点で一気に解約するには相場状況が不確定要素となる為、本書では
75歳時点での必要残高が記載されており、それは95歳まで生きると想定して
95歳時点まで残高0円にならない様にするには、75歳時点で
毎月10万円取り崩したい場合:2400万円残す
毎月15万円取り崩したい場合:3600万円残す
必要があります。
次に定年後の60~75歳の間に、投資によって毎年3%で運用しながら資産に対して
4%取り崩しをしたい場合、60歳時点で
75歳から毎月10万円取り崩したい場合:2816万円必要
75歳から毎月15万円取り崩したい場合:4224万円必要
と書かれております。
実際に60歳で定年して下記の条件で、現金預金のみ世帯と60~75歳まで
投資信託にて3%で運用した場合の資産残高の推移と、毎年の収入を
グラフ化してみました
・60~75歳までの取り崩しを 資産に対して定率4%
・75歳以降は毎月10万円の取り崩し
一目瞭然ですが75歳まで資産運用をしていると、同じ定率・定額で取り崩しても、
現金預金世帯は90歳目前で資産が枯渇するのに対して、資産運用をしていると
95歳で0円となり目標達成です。
60~75歳までの毎年の取り崩し収入も、資産運用世帯はコンスタントに
100万円以上/年間ありますが、現金預金世帯は最低60万円/年間となる為、
年金と合わせると20万ギリギリになるので、もっと資産を取り崩す必要が出てきます。
よく老後のモデルケースとして厚生年金の支給額が夫婦で22万円って数字を
目にしますし、この本でも書かれていますが、この22万円ってのは
現在厚生年金を受給している60~100歳までの平均値のはずなので、
2004年?の年金制度改正に伴い、実際に2017年度から厚生年金を受給している
世帯の平均額は15万円程な為、10万円の取り崩しでの合計25万円で
生活が出来ないと、破綻ルートまっしぐらとなります。
よって本書では、可能な限り自己資産の取り崩しを遅らす為にも、
雇用延長含めた定年後も働いて収入を得る必要性を説いており、逆に
我々働く現役世代は、60歳以降も「まともな給料を払ってもらえる能力」を
身に付ける必要があると思います。
自己能力研磨に関しては何も書かれてませんが、男性は社会コミニティが
勤務先の会社に依存している為、会社以外の交流関係が大事だと本書でも
書かれていますので、人付き合いが苦手な私にとっては、何気に一番の
課題だと認識しました。。。
・・・・。
弊ブログの読者の方で近場の人がいらっしゃれば、会社以外のコミニティ拡大の為に
飲みにでも行きませんか(^^;?
<結論>
・投資による資産形成は、最低限の知識を身につけてさっさと始める
・浪費癖はすぐに治らない為、早い時期から無駄と必要の線引きを意識する
・やはり定年時点で3000万円(退職金合わせて)は必要
マイホームも、ほんとにその広さ、その金額で必要??ってのを、
年金あまり貰えない我々世代は、よく考える必要があると思います。
為になる良い本なので、読まれるのをお勧めします