こんばんわ、きしやんです☆
投資リターンの9割は、アセットアロケーション(資産配分)にて決まると言われています。
前回の記事で少し触れましたが、投資をするには世帯としてとれるリスク許容度を把握することが大切です。
資産運用の教科書的な考え方をもってくると、自分の年齢が上昇するにつれてリスク資産&変動率の高い資産割合を減らしていくことが望まくなります。
これが一般的に言う『ターゲットイヤー戦略』になるんですが、ライフサイクル投資術はこのターゲットイヤー戦略に「運用の時間分散」の考え方を強く取り入れます。
今回の記事では、私も実践しているライフサイクル投資術の基本的な考えをお伝えしたいと思います
1.基本のアセットアロケーション戦略とは
保有している資産を、何に配分(配置)するかです。
例えばリスク資産を期待リターン5%の全世界株式インデックスファンドにしたとします。
このリスク資産と現金(金利0%)を、70:30、50:50、30:70の比率で保有した場合の期待リターンは以下の通り
リスク資産の割合と、資産全体の期待リターン
70%=3.5%
50%=2.5%
30%=1.5%
当たり前の話ですが、資産に占めるリスク資産の割合が大きいほど、期待リターンは高くなりますし、リスク資産の割合に比例してマイナスリターンも高くなります。
なもんで資産に占めるリスク資産の割合は、リスク許容度の観点からも『100-年齢』が一つの指標になるともいわれていますね。
リスク許容度とは:リスク資産の損失分を補える収入&貯蓄
よって、年齢の上昇に伴ってリスク資産の割合を減らしていくのが基本となります。
この考えを元に作られたのが、いわゆるターゲットイヤーファンドです。
若干話を脱線しますが、巷で売られているターゲットイヤーファンドは、リスク資産の中でさらに株式と債券などに分かれたポートフォリオを組むことになります。
よって、『100-年齢』で算出したリスク資産の割合と考え方が少し異なる点に注意が必要です。
2.積み立て投資で知っておいてほしい注意点
リスクは人生の後半で増える
金融機関の紹介サイトやパンフレットには、積み立て投資は買い付けタイミングの分散でリスクを低減させるなんて書いてますが、あれは正しくありません。
リスクとは結果の不確実性 ≒ 値動きなので、買い付けタイミングを分けてもリスクなんて変わりません。
積み立て投資でリスク資産を積み上げていくと、当然ながらリスク資産の元本は以下のイメージで推移していきます。
上のイラストから分かるように、時間が経てば経つほど変動する資産の総額は大きくなるので、人生の後半はリスク資産のリスク(不確実性≒値動き)は大きくなるんですよね。
さて、いよいよ言葉がややこしくなってきましたねw
運用の時間という概念
さきほどはリスク資産の元本推移だけを載せた簡単なイラストです。
次は年代毎の積み立て元本と、その元本が安定した利益を期待できる状態までの概念をイラスト化します
・オレンジの四角:リスク資産(分散された株式とする)の積み立てた元本
・赤線:リスク資産が元本割れしやすい期間(~10年)
・青線:リスク資産が利益をもたらし易い期間(10年~)
オレンジの四角の大きさは、意図的に違いをもたせてます。
収入は加齢とともに増える傾向とし、子育て世帯の場合は40~50代で教育費がピークを迎えるのを反映しております。
こうやってイラスト化すると分かりやすいんですが、積み立て元本を増やせられる50代は、その投資元本が利益をもたらす時は70代ぐらいになるんですよね。
なもんで資産運用は、若い時から始めた方が良いと言われるのです。
これは別に積み立て投資のデメリットという訳ではなく、そもそも積み立て投資にはこういう特徴があることを覚えておいてください。
※これが一括投資との議論が勃発する火種なわけですが・・・
3.ライフサイクル投資術の基本的な考え
結論からいうと、
積み立て元本が少ない若い時期は2倍までレバレッジをかけて運用し、リタイアメント年齢に向けてレバレッジの比率を下げましょう
ってことです。
考え方を順に説明していきますね。
アセットアロケーション戦略の基本は、資産全体を無リスク資産とリスク資産の割り振ること。
ではここで例をだします。
分かりやすいように毎年100万円貯蓄できるとして、そこから株式へ『100-年齢』の割合で積み立ていきます。
シミュレートの便宜上、元本の推移のみ(=株式リターンなし)とします。
23歳から60歳まで積み立てた現金と株式の元本は以下の推移を辿ります
上記資産推移をアセットアロケーションにすると、以下のようになります。
株式の保有比率を分かりやすくする為に、グラフを上下逆にしました。
積み立て終わる60歳時点での投資元本は、株式が63%となります。
さてここで疑問というか、問題が1つでてきます。
さきほどお見せした、年代毎の投資元本とリターンを得られる関係性のイラストからすると、60歳時点で投資している株式元本の大半が、50代で積み立てたものになります。
つまり、リターンを得るための運用期間(=時間分散)がほとんどとれていないわけです。
これにてアセットアロケーション戦略で積み立てを続けていた場合の問題点が浮き彫りとなりました。
ここからが本題で、ライフサイクル投資術の基本となる考え方が、アセットアロケーションの比率は生涯貯蓄額を元に決めるというとこです。
保有資産と資産配分のグラフから、35歳時点の資産配分を見てみましょう
35歳という若い時は積極的にリスクがとれるアセットアロケーション戦略(=ターゲットイヤー)の考え方にも関わらず、資産取り崩し時点(60歳)から振り返った際の株式保有割合はたったの25%です。
ライフサイクル投資術では、『若い時期だからこそとれる運用期間の長さ』を活かして、この株式の不足部分にレバレッジをかけて運用するのです。
インデックス投資家からすると『株式にレバレッジ!?』って思うかもしれませんが、自宅を住宅ローンで買うのと同じ考えです。
住宅ローンは時間の経過とともに残債が減っていきますが、ライフサイクル投資術では加齢に合わせて株式にレバレッジをかけている割合を減らしていくのです。
4.レバレッジをかける手法とは?
ライフサイクル投資術では、オプション取引をもちいて株式を購入し、2倍までレバレッジをかける方法が紹介されてます。
しかし書籍内で紹介されている投資手法は、日本人が日本から行うのはかなりハードルが高く感じられます。
というか本を読み終わった瞬間の感想は『で、結局どないしろと?』でしたねw
よって私は、海外ETFのSPXL(S&P500の3倍レバレッジ)とTMF(米国20年債券のレバレッジ3倍)を用いた最小分散レバレッジポートフォリオを部分的に構築して、積み立て元本合計に対して1.5倍のレバレッジを始めました。
なぜiFreeレバレッジ S&P500ではなく、SPXL(とTMF)にしたのか?
なぜ投資元本の100%にレバレッジをかけなかったのか?
この辺にかんしては長くなってきたので、次回以降の記事にしたいと思います
ライフサイクル投資術に興味ある人は、読まれてみてはいかがでしょうか?
いろんな考えを知るのは楽しいですね。日々勉強と実践です。
それでは皆様、良い投資ライフをお過ごしください☆
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