おはようございます。
投資の知識と経験が増えてくると、必ず何度もぶちあたる悩みが3つあります。
①積み立て投資と一括投資って、どっちが儲かるの?
②積み立て投資って、デメリットあるの?
③一括投資って、どれだけメリットあるの?
過去の実績が将来リターンの確約にはなりませんが、基本的に投資の世界は
過去の実績を基に予測するしかありません。※予測ということが大事
これに対して、運用期間も10年以上で且つ、企業DCで利用している
野村DC外国株式インデックスF・MSCIにて、過去の数値から検証してみます。
野村DC外国株式インデックスF・MSCIとは、野村アセットマネジメントが運用する
確定拠出年金専用の投資信託で、目標指数は日本を除いた先進国22カ国へ分散投資が
可能なMSCI KOKUSAIになります。
2018年5月時点でのベビーファンドの純資産総額は440億円で、運用基となる
マザーファンドの規模は4,400億円なので、繰上げ償還されることはないでしょう。
リーマンショック以前から運用されているから実績も十分ですので、
このファンドの基準価額を用いて比較・検証を行います
検証の条件は、投資金額は年間40万円とし、積み立て投資は毎月3.333万円。
一括投資は、比較対象の年数×40万円で元本を決めます。
1.積み立て投資と一括投資って、どっちが儲かるの?
理論から言うと、基本的には一括投資の方がリターンは高くなります。
インデックス投資は長期的な世界経済の成長に乗っかるだけの投資方法ですので、
仮に今の株価が割高だろうが、何十年先のもっと株価が上昇した未来から見ると、
今の株価は安いのです。
つまり、さっさと市場に資金を投入すれば、その分だけ長期間に渡った
経済成長(配当+株価上昇)に肖れるので、一括投資の方がリターンが高くなり
やすい。
しかし積み立て投資は相場下落時に威力を発揮しますので、実際は相場の影響で
かなりリターンに差が出るのが実情です。
では投資期間を3年・5年・10年間の3パターンを 、野村DC外国株式インデックスFにて
投資をした場合のリターンが、下記グラフです
面白い結果がでましたね。
一括投資がリターンで勝てたのは5年前から投資をしていた時のみで、
10年前・3年前から投資をしていた場合は、積立投資の方が高いリターンを
出しています。
それぞれの資産評価額の推移を見て見ましょう
理論上は一括投資の方が高いはずですが、やはり投資を開始した時期によって
下落相場を経験する回数が異なりますので、最終的なリターンに差が出てます。
つまりどっちが儲かるのか?って観点だと、積み立て投資(ドルコスト平均法)は
意外にあなどれし!
2.積み立て投資って、デメリットあるの?
主に2つあります。
1つ目は上記説明通り、暴落相場で安値にて買い込めないと、リターンが
一括投資に勝てない。
2つ目は、積み立て投資は一括投資に対して、
評価額が含み損(マイナス状態)になる回数が多い。
一括投資と積み立て投資で、3年・5年・10年投資をしていた場合の、
月締めの評価額が含み損(マイナス評価額)になっていた回数を集計しました
3パターン全ての投資期間において、積み立て投資は一括投資に対して
1ヶ月以上の含み損発生回数が多いです。
この結果は非常に面白いですね。
よく金融機関が「投資をする時間(タイミング)を分散すればリスクが低減する」って
言いますが、私の検証結果より、それは嘘四百だったことが証明されました。
嘘八百ではなく「嘘四百」ですので、金融機関が言っている本質的なところを
説明したいと思います。
3パターン全ての投資期間において、一括投資は1ヶ月以上の含み損を1回しか
経験していません。
では実際に含み損を抱えてから、どれだけの期間マイナス状態だったのかを
集計したら、面白い結果が得られました
<投資期間3年>
●積み立て投資は評価額マイナス状態が
1ヶ月間:1回 2ヶ月間:1回 11ヶ月間:1回
●一括投資は評価額マイナス状態が 24ヶ月間:1回
<投資期間5年>
●積み立て投資は評価額マイナス状態が 1ヶ月間:4回
●一括投資は評価額マイナス状態が 3ヶ月間:1回
<投資期間10年>
●積み立て投資は評価額マイナス状態が
1ヶ月間:3回 2ヶ月間:1回 3ヶ月間:1 13ヶ月間:1回
●一括投資は評価額マイナス状態が 58ヶ月間:1回
この検証結果より言える事は、積み立て投資は1ヶ月以上の含み損をかかえる
回数は多いが、プラスに回復するのが早いってことですね。
いくら世界経済の成長を信じれると言っても、投資元本400万円(10年投資)が
投資開始直後から6年間近くマイナス状態だと、心折れるわ~~ ←これがリスク
金融機関が言う「投資をする時間(タイミング)を分散すればリスクが低減する」の
「リスク」の心理は、評価額マイナス状態に於ける心的ストレスを低減させるって
ことなのです。
つまり、相場下落時(=マイナス評価状態)でも市場から撤退することなく、定額で
買い続ける(積み立て投資)ことが、相場回復時に大きなリターンを生み出します。
3.一括投資って、どれだけメリットあるの?
ここまでの検証結果をもって、はっきり言って我々個人投資家レベルでは、
一括で大金を市場に投入するメリットはほとんどありません。
重複しますが理由は2つ
1つ目:1度含み損が発生すると、回復するのに時間を要する為、精神的によろしくない
2つ目:相場状況により、スタートさせるタイミングが非常に重要
一括投資は精神的に辛いのに、しかもスタートするタイミングを誤ると積み立て投資に
リターンで負けることが多々あるので、旨味がなさすぎます。
経済評論家の山崎元さんがよく
「ドルコスト平均法(積み立て投資)は、気休めだ。有利でも不利でもない」
って言われてますが、私は下記の様に解釈してます
「ドルコスト平均法(積み立て投資)は、気持ちを休める投資方法だ」
最後まで相場に居続けるには、穏やかな精神状態である必要がありますので、
それを実現させる手段が積み立て投資なのです。
まとまった資金があるのなら、ボーナス毎に分割で市場に投入するのではなく、
毎日投資の金額に上乗せして投資をする方が効率的でお勧めです。
www.oyagakoniosieyou-fosterassets.com
<まとめ>
まとまった資金は、5年ほどかけて毎日投資に上乗せして、市場へ投入しましょう。
そうすることで穏やかな精神状態が維持でき、且つ、何度か発生する下げ相場にも
遭遇できるので、高いリターンが期待できます。
最後に、バンガードの創設者であるジョン.C.ボーグルの新書
『インデックス投資は勝者のゲーム』より、一文を引用して終わりにします
事業を営む者たちが富を得るには、「ぼーっとしてないで何かやれ」と
顧客を説得しなければならない。
しかし、全としての顧客が富を得るには、正反対の行動原則に
従わなければならない。
つまり「何もするな、そこにいろ」である。
これこそが、市場に勝とうとする敗者のゲームを避ける唯一の
方法なのだ。
積み立て頻度『毎日 vs 毎月』の検証記事も御覧下さい
www.oyagakoniosieyou-fosterassets.com
↓↓ブログランキングの投票ボタンです。
良ければ、ボタンをクリックしてもらえると嬉しいです☆