こんばんわ、きしやんです。
寝て起きたら資産が増えてる状態が続きますね。BTCに湧いていた2017年夏~秋を思い出します。目覚ましテレビで米株の体験談が放映されたら頂点ですかね?
さて私は、コロナショック(と銘々されるであろう)の翌月からレバレッジETFを使ってライフサイクル投資術なんてものを始めてます。
www.oyagakoniosieyou-fosterassets.com
そこから四半期経ったので、PDCAでいうC(Check)とA(Adjust)をしてみたいと思います。
結論から言いますと、
理論に支配されてはならない=ライフサイクル投資術の考えが全てではない
理論を完全に無視すれば大きな過ちを犯しかねない=レバレッジゆえの、マイナスの要素をしっかり、正しく理解する
- 1.そもそもライフサイクル投資術って何やっけ?
- 2.買値で下手したら死ぬやろSPXL
- 3.実はSPXLは、コロナショック前の水準に戻ってません
- 4.高値掴みが恐いんなら、積み立てしかないやん
- 5.我々は理論に支配されてはいけない
1.そもそもライフサイクル投資術って何やっけ?
投資はアセットアロケーションがリターンの9割を決めと言われるので、運用終了時点のポートフォリオから逆算して、積み立て元本が少ない若い時期は2倍までレバレッジをかけて運用し、リタイアメント年齢に向けてレバレッジの比率を下げましょう!って感じです。
投資ブロガーで議論になる時間分散の「時間」に対する概念を
・買付タイミング
・運用期間
で明確に分けて、積極的に運用期間に対する時間分散を取り入れる戦略です。
時間分散ってなんやねん!って思う人は通称「殿」こと、マネリテさんのサイトにて詳しく説明されてます
2.買値で下手したら死ぬやろSPXL
ライフサイクル投資術は、まとまった資金があるのならフルインベストメントすることになります。それも2倍のレバレッジかけてです。
巷でよく聞く一括投資ってやつに分類されますね。
※言葉の定義と観点でわけると、一括投資って意味が違うんですが・・・
ライフサイクル投資術(著書内)では、レバレッジかける手法としてSP500へのコールオプションを使うと書いてるのですが、日本からそれってどうやりゃいいんやっけ?ってなとこから引っ掛かりました。
で、多くの人は代用として、Direxion社が提供しているS&P500に3倍レバレッジかかったSPXLってETFを使うことにしたでしょう。俺もそうです。
iFree S&P500のレバレッジは為替ヘッジかかってるから微妙ですし、レバレッジ2倍の海外ETFでアクセスしやすいのもないし。なもんでSPXLを使うんですな。
SPXLはレバレッジが3倍なんですが、投資金額を予定の66%にしておけばライフサイクル投資術が提唱するエクスポジャーに占めるレバレッジ割合を2倍以下にすることができます。
で、だ。ここからが肝心です。
ライフサイクル投資術の理屈は理屈であって、SPXLは上りも下がりもS&P500の3倍。
リーマンショック以降のリターンを見てみると、人生楽勝モードに見えてしまいます。S&P500がまるで債券みたいなボラティリティですよw
いや~リーマンショック以降から、アーリーリタイヤ組が出る理由が分かりますね~
さて、SPXLで儲けたであろう過去の結果以上に重要なのが、コロナショックによる歴史的な下落スピードです。今はサーキットブレーカーがあるのでS&P500は1度に10%以上下がりませんが、SPXLは3倍の30%下がります。
そこでコロナショックを挟んだSPXLとS&P500のYTDチャートです
2020年年明けといったら、〇倍〇分配法ファンドやらを筆頭にレバレッジが流行ってましたが、まんがいち2/19に最高値のSPXLを500万円買ってると、底値のタイミングでは-384万円ですよ。
リーマンショックの際はS&P500はほぼ-50%だったので、これを500万円投資したSPXLで直撃すると-415万円(-83%)です。たった数日で。年間の生活費パーですやん。
このチャートを事前に脳内で描いていたので、SPXLを使った正統派ライフサイクル投資術をやらなかったのです。
S&P500ならいつかは回復すると信じられるからホールドできるけど、レバレッジかけた己の行動に対して、この下落は耐えられんですね。恐ぇし。理論と実際にできるかは別問題なんですよ。
悪いきしやん心の声
え?なんでやんないの?全力でSPXL買って数年経てば人生楽勝モードやん!
FRBも無制限金融緩和してるんだから、買えばいいやん!
だってハワード・マークスも『居心地の悪さを伴わない利益率の高い投資というのはだいたいが矛盾した話』って言うてたし!この恐怖心こそ居心地の悪さやろꉂꉂ(ˊᗜˋ*)
いやいやいや!師匠は誰もが買うことに恐怖している時に買うのが大切と言っているのであって、触ると危険な状態な物を『逝ってこい』とは一言も言ってへんしw
こういう葛藤を抱いてしまうのも、レバレッジの恐ろしさです。
行動心理学と進化生物学の観点から金融史を読むのが好きな俺にとっては、いい勉強になりますが。
3.実はSPXLは、コロナショック前の水準に戻ってません
さきほどSPXLとS&P500のチャートお見せした際に、勘のいい人は気づいていたかと思われます。あのチャートはコロナショックの期間だけでなく、あえてYTD(年初来リターン)にしました。
この記事作成段階のドル建によるYTD(年初来リターン)でいうと
S&P500:+7.85%
SPXL:-10.49%
SPXLはレバレッジ対象指数であるS&P500に対して、ほぼマイナス20%です。
なんで!?
って思う人もいるかもしれませんが、それは1割下がったら元値に戻るのに1割上がれば良いと思ってるからです。それは間違いなので、簡単な算数しますね。
ます1割下がるとしましょう
100×0.9=90
次に、90から1割上がるとしましょう
90×1.1=99
はい、100に戻りません。
これをレバレッジ3倍でやると、以下の通りです
100×0.7=70 ※1割減の3倍
70×1.3=91 ※1割増の3倍
はい。指数に3倍のレバレッジかけてると、指数の戻りに対してレバレッジ掛けてる側は元に戻らんのですわ。
なもんで、S&P500がコロナ前の高値を更新していても、そのS&P500に対して3倍のレバレッジかけてるSPXLが元値すら戻していない理由です。
ゆえにサブタイル2でも書いた「買値で下手したら死ぬやろSPXL」ってな訳です。
レバレッジって怖いよ~
ただ、それも使い方でそれなりに工夫も可能かと
4.高値掴みが恐いんなら、積み立てしかないやん
今回の記事はちょいちょい大阪弁いれてますが、産まれも育ちも大阪なのでこれがスタンダードです。はい、話がそれました。
俺みたいに高値掴みの後悔を避けたいのなら、積み立てるかしないんですよね。
ライフサクル投資術の書籍内でも、PERやCAPEが一定以上なら~って考察も書いてました。
よってSPXLはETFやからドル・コスト平均法はできませんが、定口買い付けをなんとかやるだけです。追加して、大きく下落した際にスポット買い増しですかね。
せっかくなので手法違いによるリターンの比較をしてみたいと思います。
コロナショックの底値は3月23日なので、そこから以下の手法違いによる本日(8/28)までのリターンを比較します。
俺はSPXLを使った疑似ライフサイクル投資術を始めたのが4月20日なので、そこからの実績値としますね。1か月のハンデですよ!
●計算は3月23日から ※SPXLの積み立ては4月20日から
S&P500底値からのリターン+55.7%に対して、SPXL使った積み立ても+48.2%とかなり優秀な結果出してます。なんせS&P500インデックスの毎日積み立て+14.5%に対して3.3倍ですからね。
きっちりレバレッジ効果を出してくれてます!
・・・
ってのはプラスに対した結果であって、これがズルズル下落してるとインデックスの3倍以上下落してた訳です。リターンの皮算用する際は、逆のパターンも計算せんといかんですよ!
5.我々は理論に支配されてはいけない
投資家界隈で積み立て投資と一括投資の論争になった切っ掛けの1つが、おそらくライフサイクル投資術が発刊されたことでしょう。興味ある人は読んでみてください。
本書に記載されている理論的な背景やその考え方は理解できるのですが、実際にやれるか?と言われたら、Noですわ。生活圏における使用する通貨も異なりますしね。
私はたまに理論派と言われることがありますが、長期投資に於いて理論よりも大切にしていることは『自分の中での納得感』です。要約すると『しっくり感』でしょうか。
なぜなら合理性だけ追求してると、ゲロ吐きそうな辛い相場で納得感が皆無の場合、絶対続かないと思ってるからです。なもんで、合理性よりもしっくり感を優先しております。
ゆえに、投資手法に正解はないのです。
最後に心の師匠、ハワード・マークスの著書『投資で一番大切な20の教え』にて、一文を引用して終わりにしたいと思います
第2章 市場の効率性を理解する(P38)より
我々は理論をあくまでも決断の手がかりとすべきであり、理論そのものに支配されてはならない。また、理論を完全に無視すれば、大きな過ちを犯しかねない。
以下、ライフサクル投資術に置き換えた場合のきしやんの理解
理論に支配されてはならない=ライフサイクル投資術の考えが全てではない
理論を完全に無視すれば大きな過ちを犯しかねない=レバレッジゆえの、マイナスの要素をしっかり、正しく理解する
それでは皆様、良い投資ライフをお過ごしください☆
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