親が子に教えよう!お金と資産形成の世界☆

熊本県菊池郡某所に住む、金融業会とは無縁な職種の会社員です。 人生100年時代といわれる世の中を生きていくため、学校はおろか親からも教わったことのない『お金と資産形成』という世界を我が子に教える為、自ら学び・実践しております。 このブログは、その軌跡とアウトップトの集合体です

アメリカ株式の高いリターンは、もう続かない可能性が大きいです ~経験と歴史の違いとは?~

 

 

 

こんばんわ★

 

2018年9月以降にFANG銘柄を中心に崩れだしたS&P500も、最近持ち直してきてます。

 

実際にアメリカ企業の業績も悪くないのでそれが株価に反映されるのは当然であり、

これまでの歴史をなぞるアメリカ市場の魅力に、新規投資家達が惹きつけられて

いるのも事実です。

 

しかし私はどうも、これからもアメリカ市場が高リターン(過去20年:年率約9.5%

を維持し続けることに懐疑的でなりません。理由は自分の本能だけでなく、学術的に

認知されているCAPE(ケープ)とPBRからしても、アメリカ市場のむこう10年間の

リターンには期待できないシグナルが出ています。

 

今回の記事は投資手法の優劣を決めるのではなく、読者様の投資戦略を再考する

切っ掛けとなればと思い、少々時間掛けて作成しました

 

 1.理由その①:CAPE(ケープ)から今後のリターン予測

株価・市場の割安度を表す尺度としてPER(株価÷1株当たりの純利益)が用いられ

ますが、一般的にPERを算出するための「純利益」は、アナリスト達が予測する

「当期の予測純利益」になりますので、ある種の人的な期待値が込められています。

 

PERは企業の決算毎で変化が起こりますので、PERだけで現在の株価が割安かどうかを

判断するのは少し難しくなるのです。

 

このPERに対してノーベル経済学賞受賞者の米エール大学ロバート・シラー教授が

考案したCAPE(Cyclically Adjusted Price Earnings Ratio)は、株価の割高感を測る

投資指標で、PER(株価収益率)の一種になります。通称:シラーPER。

 

CAPEでは過去10年間の平均利益に物価変動を加味した値を一株利益として指数を

算出します。

 

景気循環の影響を調整した株価の割高、割安を見ることができることも特徴の一つで

ありることから、CAPEは景気変動調整後のPER(株価収益率)とも言われます。

 

ちなみにCAPEから株価の割高、割安の分岐点は25倍程度となるそうです。

野村證券用語解説集を参考にさせて頂きました

 

まぁ平たく言うと現在のCAPEが25より高いと、将来10年に渡ってはリターンが低く

なる可能性がある訳ですね。では実際に、CAPEのグラフを見てみましょう

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引用元:https://www.starcapital.de/fileadmin/user_upload/files/publikationen/Research_2016-01_Predicting_Stock_Market_Returns_Shiller_CAPE_Keimling.pdf

 

横軸がCAPE・縦軸がCAPEに対する10~15年後のリターンを表しており、グラフの

相関値はR2=0.48と比較的強い相関があることが読み取れます。

 

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https://www.starcapital.de/en/research/stock-market-valuation/

 

アメリカ(オレンジプロット)の現在のCAPEが26.8なので、上記近似曲線の

グラフからするとアメリカの今後10~15年の年率リターンは4.8%ぐらいになる

予想です。※過去20年間の約50%減

   

 2.理由その②:PBRから今後のリターン予測

PBRとは株価より算出される時価総額が、会計上の解散価値である純資産(株主資本)

の何倍であるかを表す指標であり、株価を一株当たり純資産(BPS)で割ることで

算出できます。

 PBRが「1」を超えると企業の純資産より株価の方が高いことを意味します。

 

PBRを基に株価の割安・割高を判断する尺度は人によって異なりますが、私はPBRが

「2」を超えると割高と感じますね。

 

そしてこのPBRと10~15年後のリターンも、CAPEと同様にある程度の相関があるのが

下記グラフより読み取れます。

 

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相関係数はCAPE以上のR2=0.554と強い相関があります。

 

上記グラフにアメリカのプロットが入ってませんが、2019年1月現在のアメリカの

PBRは約3.0なので、上記近似曲線からアメリカの10~15年後のリターンは

4.8%ぐらいになることが予想されます。CAPEからの予測値と同じですね。

 

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3.ジョン.C.ボーグルの予測

先日、 バンガード創設者のジョン.C.ボーグルの悲報に関して、御冥福をお祈り

します。享年89歳でした。

 

ボーグルの死は悲しみと同時に、世界にインデックス投資という存在を広めてくれた

ことに対する感謝の気持ちでいっぱいです。

 

さてバンガード創設者のボーグルも著書『インデックス投資は勝者のゲーム』の

「第9章:良き時代はもはや続かない」にて、アメリカ市場の向こう10年のリターンは

悲観的にみると4.0%程度になると予想しております

 

    f:id:kishiyan_y:20190118225313p:plain

 

著書内のボーグルの考察と、このグラフを説明します。

 

現在の配当利回りは20年前の4.4%ではなく約2%レベルです。

VTI 銘柄 - バンガード・トータル・ストック・マーケットETF 投資信託(ファンド)情報 - Bloomberg Markets

 

ボーグルはアメリカの向こう10年の、米国の長期的な名目成長率は6%超からGDP

4~5%と予想しています。

 

これがかなり正確だとするとアメリカ市場の株価リターン(利益成長+配当利回り)は

6~7%の水準になると推定されるので、ボーグルは悲観的に見て株価リターン6%と

しています。

 

次にPERです。2017年当初のアメリカ市場のPERは23.7でしたが、これは前年に

公表されたS&P500の利益を基準としたものであり、PERが向こう10年間23.7倍の

水準にとどまるのであれば、予測した6%のリターンは増えも減りもしません。

 

「CAPE(ケープ)から今後のリターン予測」でも申しましたが、PERは過去に公表

された利益ではなく、その年の予想営業利益で算出される傾向があります。

 

この中に操業をやめた事業に掛かる損金や利益予想が実現するかは含まれておらず

ウォール街が算出したPERはたったの17倍(-28%)でしたが、ボーグルはこの値を

無視して10年後にはPERが20倍かそれ以下まで低下していると予測しています。

 アメリカ市場の1900~2010年における平均PERは16.3倍

 

そうすると変化するPERからの市場リターンは-2%程になるので、アメリカ市場の

向こう10~15年の年間リターンは4%ということになります。

 

これがボーグルが、「良き時代はもはや続かない」と言っている理由です

 

今までS&P500のインデックスファンド買えば良いと言っていたボーグルですら、

この様な見解をもたれていました。

 

4.ひとまず整理する

アメリカ市場の今後10年のリターンは

 ・CAPE近似曲線より:約4.8%

 ・PBR近似曲線より:約4.8%

 ・ボーグルの予想:約4.0%

 

 3つのアプローチ結果、全て5%を下回る予想です。

これまでのアメリカ市場のリターンは年率9.5%だったところからすると、

向こう10~15年のリターンは他先進国諸国並みになる予測です。

 

これが私が冒頭に書いた

 

アメリカ市場のむこう10年間のリターンには期待できないシグナルが

出ています。

 

 と言った理由です。

 

5.愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

ビルマルクの言葉です。

 

アメリカには世界を引っ張る名高い企業があり、過去20年間のS&P500のリターンは

年率9.5%でした。これは凄まじい成績です。

 

このアメリカ市場の年率9.5%のリターンの歴史は事実ですが、果たしてこれからも

年率10%近いリターンは歴史として繰り返されるのでしょうか?

 

私は、否だと思ってます。

 

1980年代後半。日本の株式市場は空前のハイリターンを生み出しましたが、結果として

日本の株式市場はバブルが弾けて失われた30年を迎えることになりました。

 

その1980年代に「アメリカ株式を買っておけば正解」という人がいなかったところから

すると、昨今のアメリカ株式ブーム(個人投資家&ブロガーの多さ)に近い形は、

過去のリターンが高かった「経験」を「歴史」と混同して話がされている様に

感じます。

 

 それを証明するためにCAPEやPBR、ボーグルの予測がアメリカ市場の今後の

リターンを悲観的に予測していることからすると、アメリカ市場では高いリターンが

期待できるというのは、歴史ではなく経験なのでしょう。

 

6.私の記事・他者(社)の考察だけを信じる必要はありません

今回の記事のテーマは冒頭で書いた

 

投資手法の優劣を決めるのではなく、読者様の投資戦略を再考する

切っ掛けとなればと思い、少々時間掛けて作成しました

 

 です。

 

 CAPEを考案したシラー教授も、ジョン.C.ボーグルの言葉も私の考察も、信じる

必要はありません。

 

ウォール街のモメンタムウォーカーの著者ゲイリー・アントナッチも、シラー教授の

CAPEと市場リターンの関係性を全否定しないまでも、完全に信用はしていません

でした。

 

投資は自己責任の世界なので、自分にとって何が正解か?何がしっくりくる投資

手法なのかは自分で考える必要があり、それを考える楽しさもまた、投資の醍醐味

でしょう。

 

しいて言うなら、チャールズ・エリスの著書『インデックス投資入門』の「第8章:

リスク管理に役立つ」より言葉を引用して終わりにします

 

よくできたインデックスファンドのような市場全体の構成から自分の

資産配分が離れてしまっていると、離れてしまっている分だけ追加的な

リスクを負うことになる。

小型株や新興国株、高配当株やハイテク株など、自分がこれだと思う株を

市場の示す配分比以上に買うと、その判断を間違うリスクを負う。

 

 

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