親が子に教えよう!お金と資産形成の世界☆

熊本県菊池郡某所に住む、金融業会とは無縁な職種の会社員です。 人生100年時代といわれる世の中を生きていくため、学校はおろか親からも教わったことのない『お金と資産形成』という世界を我が子に教える為、自ら学び・実践しております。 このブログは、その軌跡とアウトプットの集合体です

長期投資のウソ!ホント! 長期投資をしても、リスクは減らない

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おはようございます

 

iDecoやつみたてNISAをはじめとした長期投資のうたい文句として、

下記3つのフレーズをよく耳にします

 

長期 × 分散 × 積み立て

 

特にこの「長期」に関しては、世間の金融機関や有識者が「長期投資をすることで

リスクが低減できます」ってのを発信していますが、このフレーズによって

勘違いされている人が割と多いが気がしてます。

 

正しくは長期投資で元本割れする可能性は低くなるが、変動額は増大するです。

 

 

1.投資に於けるリスクの定義を理解する

 

一般的にリスクと言うと「危険」というフレーズを第一に思い浮かべますが、

投資の世界に於けるリスクとは変動幅を意味し、「%」で表現します。

 

 よく投資による利益を不労所得と言われますが、これははっきり言って間違いであり

投資家はリスク(変動幅)を負っているからこそリターンを期待できるのです。

 

要は、ローリスク・ハイリターンなんてのはあり得ないってことですね。

 

さて話は戻って、投資の世界でのリスク(変動幅)は一般的に1標準偏差の値を

用いられます。

 

例として、ここに世界中の株式へ分散投資をした商品があり、期待リターンと

リスクはそれぞれ 

・期待リターン:+3.0% 

・リスク:±18.8%

とします。

※実際の世界株式への分散投資も、これぐらいの期待リターン&リスクです

 

この投資商品の期待リターンとリスクは標準偏差を用いることで数学的に、

下記の様な変動幅になることが説明できます

 

f:id:kishiyan_y:20180516204243p:plain

期待リターンの3%を中心に、68%の確率(1標準偏差)で+21.8~-15.8%まで

変動し、95%の確率(2標準偏差)で+40.6~-34.6%まで変動することが統計的に

計算・予測できます。

 

リーマンショックの際は世界中の株価が-50%近く下落したので、統計的な確率より

100年に1回の金融危機といわれている理由になのです。

 

一般的にリスクを計算する際は2標準偏差までの値を用いますから、それを

棒グラフにすると下記のようになります

 

          f:id:kishiyan_y:20180516205523p:plain

 

さて、この上記変動幅の概念は「長期投資をしてもリスクが減らない」理由を

理解するのに大事な要素ですので、忘れずに読み進めてください

 

 

2.長期投資をしても、リスク(変動幅)は変わらない

IMFによると世界経済の成長率予測は4~5%ぐらいと言われていますので、

少し悲観的に見ても世界中へ分散投資をした株価の期待リターンは3%ぐらいで

見積もるべきだと思っています。

 

よって、毎年±18.8%のリスク(変動幅)を負いながら3%程のリターンを

得て20年間の長期投資をした場合、変動率は下記グラフのようになります

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※期待リターンでなくトータルリターンの間違いですね・・・後で差し替えます 

このグラフより言える事は2つ

 ①毎年3%のリターンによってゼロ点が上昇し、投資期間が13年以上になると

 理論上、元本割れしなくなります

 

②世界中の株式へ分散投資をしても、何年経とうがリスク(変動率)は変わらない

 

つまり、金融機関の人達がよく言う「長期投資はリスクを低減させる」の

真の意味は、理論上10年以上経てば「投資元本を割り込む可能性が無くなる」って

ことです。

 

しかし、投資期間が長ければ長いほど金融ショックに遭遇する確率が増えますので、

長期投資をすればする程、大きなリスク(変動率)に合う回数が増えます

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出典:myINDEX

 

 

3.長期投資をすると、リスク(変動絶対値)が増える

 

「長期・分散・積み立て」ってのは、長期間・幅広い資産クラスに対して・積み立て

での投資を意味しますが、この長期投資に関して積み立て投資の資料や

書籍にも、あまり触れられない1つの事実があります。

 

それは、積み立てによる長期投資を10年以上実施すると元本割れをする可能性が

減るが、ちょっとした経済ショックに対しても資産の変動幅(絶対値)が

恐ろしく増えることです。

 

では期待リターン3% リスク±18.8%の資産を、毎年40万円ずつ積み立てた

場合のシミュレーションをしてみましょう

 

投資開始1年目は投資資産の変動幅は±30万円と、そこまで大きな金額ではありません。

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しかし投資開始して5年目にもなると投資元本が200万にもなり、理論上の

リスク(変動幅)は、150万円にもなります。

 

そしてこのまま20年間毎年40万円ずつ積み立てていくと、13年目には投資元本を

下回ることはなくなりますが、20年後のリスク(変動幅)は驚きの781万円にも

なります。

 

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しかし自分の資産が最大で781万円変動したとしても、1標準偏差となる

リスク(変動幅)は変わらず±18.8%です。

 

投資スケールが大きくなればなる程、自分の資産の変動幅はめっちゃ大きくなります。

 

理屈では一括投資が有効なのは分かっていても、相当のリスク選好度がないと

この変動幅に耐えれないから、誰もが一括投資に踏み込めないのです、

 

4.ここまでをまとめると

10年以上の長期投資によって

・ 元本を下回る確率が、ゼロに近くなる

・投資期間を長くすると、変動率は減らないけど、暴落に合う確率は高くなる

・投資期間が長くなって投資金額が大きくなると、変動額が大きくなる

 

長期投資によって低減できるのは「元本割れする可能性」のみであり、

リスク(変動率・幅)に対して、長期投資は全く持って効果がないことが

伝わったかと思います。

 

アセット・アロケーションが大事だと言われる真意は、仮にリスク資産が

781万円変動してもビビッて売却しないようにする為に、無リスク資産とリスク資産の

割合が、自身のリスク許容度内になるように、検証しましょうってことです。

 

リスク資産内の細かいバランス(株式:債券が何%の割合)よりも、無リスク資産と

リスク資産の割合が最重要になります。

 

どの金融機関も「ウソ」は言ってませんが、潜在的に我々顧客が知りたい「ホント」は

言ってくれてないのです。

 

この記事をきっかけに、長期投資の有用性が伝われば幸いです。

 

さて明日は第2回コツコツ熊本ですので、楽しんできたいと思います!

 

 

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