こんばんは、きしやんです。
今回は少し変わった趣旨の記事を書こうと思います。
よくネットの記事で、日本の国家財政に関して以下のような見解が見受けられます
・日本の債務残高はGDP比で他国と比較しても高い水準にあり~
・債務残高が今のまま高い水準だと、いつか円の信認が~
どの見解にも共通するのが、『●●な水準にある』って言ってるものの、財政破綻する定義・プロセスが語られていません。俺からすると『じゃぁ債務が何%になったら破綻するの?』って質問に回答できないんですよね。
つまり彼らは不安を煽るだけ煽ってて、何ら論点がないんです。
なもんで今回の記事では、国家が破綻する際のプロセスを明確にし、日本政府がもし財政破綻するならこういうプロセスを通るってのをお話しします。
この記事を読めば、世に蔓延る財政破綻論者が嘘八百言ってるのが分かります。
と同時に、心配すべき真の問題が何なのかも分かります。
- 1.財政破綻の定義
- 2.過去にデフォルトした代表的な国
- 3.上記4か国がデフォルトした理由
- 4.なぜ外貨建て債券を発行する必要があるのか?
- 5.じゃぁ日本政府はどういう状況なのか?
- 6.日本政府が財政破綻する際のプロセス
- 7.日本が財政破綻をしない為に必要なこと
1.財政破綻の定義
Wikipediaより引用
財政破綻(ざいせいはたん、英:Economic_collapse)とは、政府が債務不履行に陥ることである。すなわち、政府が対外債務(国債、地方債のこと)の利払いや、元本償還ができなくなったことである。
政府が発行する債券がデフォルトすると、財政破綻だと書かれています。
この辺は皆さんご存じでしょう。
2.過去にデフォルトした代表的な国
もはやデフォルト常連国となったアルゼンチン、過去にも直近にもロシア、ギリシャ、レバノン。他にもデフォルトした国はたくさんありますが、有名どころとしては上記4か国です。
3.上記4か国がデフォルトした理由
これらの国がデフォルトに至った背景に、必ず共通していることが1つあります
外貨建てによる債券を発行していた
です。
アルゼンチン、ロシア、レバノンはドル建て債券のデフォルト。ギリシャはユーロ建て債券のデフォルトです。ギリシャの場合は過去に自国通貨ドラクマってのを発行していたのですが、EU加盟に伴って自国通貨を破棄して、共通通貨ユーロを導入しました。
これによってギリシャは、実質的に外貨状態になります。
外貨建て債券の場合、その債券の利払いを自国通貨にて行うことができません。それはつまり、自国の中央銀行による債券の買い取り・利払いができないのです。
よって輸出等で外貨を稼ぎ、債券の利払いにあてる必要があります。で、結果的に外貨が確保しきれず、外貨建て債券のデフォルト=財政破綻に至りました。
4.なぜ外貨建て債券を発行する必要があるのか?
アルゼンチン、ロシア、レバノンのケースを話します。
これらの国は国内の供給能力が乏しく、生活必需品を含むほとんどの製品を輸入に頼ります。※恒常的な貿易赤字
輸入するということは自国通貨を売って米ドルにて支払いをする必要があるので、自然と自国通貨安の圧力がかかります。
自国通貨安の圧力がかかると、輸入品の値段が上昇→ほとんどの製品を輸入に頼っていると国全体でインフレが発生していきます。
そうなると国民生活が成り立たなくなるので政府は為替レートの変動を固定し、輸入品に通貨安によるインフレ圧力がかからないようにします。要は固定為替相場制を導入する訳です。
しかし通貨レートを固定するには『やります!』って宣言すればいいだけではなく、安くなっていく自国通貨を外貨(主に米ドル)で買い支えてバランスをとらないといけません。
しかし輸入に頼る国は輸出で外貨を調達する術がありません。しかし固定為替相場制を維持する為には、外貨が欲しい。
その結果 外貨調達手段として、外貨建て債券を発行するのです。
調達先は海外政府・海外投資家(金融機関)などから、文字通り借金する訳です。
ちなみにギリシャの場合、ギリシャに限らずユーロ加盟国は共通通貨ユーロ建てにて、海外政府・海外投資家(金融機関)などから、借金します。
ここまでの話で、政府が財政破綻するプロセスが分かったかと思います。
ちなみにですが、気づきました?
アルゼンチン、ロシア、レバノンがデフォルトに至るまでの経緯として、これらの国の自国建て通貨の債務残高なんて話は1mmも出てこなかったことを。
5.じゃぁ日本政府はどういう状況なのか?
日本は変動為替相場制を導入しており、政府が発行する債券はすべて自国建て通貨の円となります。
つまり先ほどの4か国のように
・固定為替相場制である
・共通国通貨である
・外貨建て債券を発行している
これら全て、非該当になります。
これは日本に限らずアメリカ、中国、イギリス、オーストラリアなども同様です
6.日本政府が財政破綻する際のプロセス
ポイントとなるのは、外貨建て債券を発行する国家になってしまうことです。
ではさっそく、日本が財政破綻する際のプロセスを列挙してみましょう
①デフレがこのまま続き、日本国内の技術発展・伝承がされず、内需が衰退していく
②今まで自国内で賄えていた食料・生活必需品なども輸入に頼ることになる
③恒常的に貿易赤字が続き、円安が進行する
④円安によって輸入品の値段が高騰し、あらゆる生活用品にコストプッシュインフレが発生する
⑤政府は輸入品の高騰を抑える為に固定為替相場制を導入する
⑥固定為替相場制を維持するために、今日まで確保した外貨準備高を取り崩して、為替レートを維持する
⑦外貨準備高が底をつき始めると、さらなる外貨獲得のために外貨建て債券を発行する
⑧そのうち外貨建て債券の金利が払えなくなり、外貨建て債券のデフォルトに至る
こういうことです。
これが日本政府がアルゼンチンやレバノン・ロシアのように財政破綻に至るプロセスになります。
当然ながらここでも、日本政府が現在発行している円建て国債の債務残高なんて1mmも話にでてきません。
財政破綻論者の中にはいきなり『円安となって~』って話をする人がいますが、なぜ円安になるのかを説明してる人はいません。要はあの手の人たちは、財政破綻するプロセスを理解してないんですよね。
7.日本が財政破綻をしない為に必要なこと
①デフレがこのまま続き、日本国内の技術発展・伝承がされず、内需が衰退していく
これを防ぐことです。
デフレとは物の値段が下がることだと説明されますが、そうではありません。それはあくまでも結果であり、原因は経済の縮小です。
経済(GDP)が縮小した結果、物の値段を下げないと売れないからです。
ではGDPを拡大するにはどうすればいいのでしょうか?
各民間企業が生産性を高める努力することはもちろん大事です。しかしデフレ化では国内経済(需要)が縮小している状態です。そういう状況下では、政府が積極的に支出する or 減税することで、民間の需要を喚起しないといけません。
誰かの消費が誰かの収入になるのです。
以上です。
それでは皆様、良い投資ライフをお過ごしください☆
↓↓ブログランキングの投票ボタンです。
良ければ、ボタンをクリックしてもらえると幸いですm(_ _)m