親が子に教えよう!お金と資産形成の世界☆

熊本県菊池郡某所に住む、金融業会とは無縁な職種の会社員です。 人生100年時代といわれる世の中を生きていくため、学校はおろか親からも教わったことのない『お金と資産形成』という世界を我が子に教える為、自ら学び・実践しております。 このブログは、その軌跡とアウトプットの集合体です

読後感想:投資で一番大切な20の教え

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こんばんわ、きしやんです。

 

私は本を読む際に大事だと思ったポイントに付箋やハイライトを付けて、読み終わってから超重要ポイントとして10個に絞る『読後フォロー』なる作業をしています。

その10個の超重要ポイントはいつでも振り返られるようにGoogleドキュメントに書き込んで保存し、何度も何度も読み直すことで記憶へ定着させていくのです。これにて読後フォローのプロセスが完了となります。

 

で、今更感が絶大ですが(笑)、私にとって聖書ともいうべきハワード・マークスの著書『投資で一番大切な20の教え』を読後フォローしたので、その一部を紹介したいと思います。

 

 

 1.『投資で一番大切な20の教え』とは?

ハワード・マークスとはオークツリー・キャピタルマネジメントの共同創業者であり、オークツリーは世界最大のディストレスト投資会社になります。

本書はバリュー投資や逆張り投資の『心理面』に着目した内容であり、投資手法に関した内容はほとんど割かれていないのが特徴です。

世界最高の投資家として有名なウォーレン・バフェットは本書を大量に購入し、バークシャー株主総会で来場者に配布したのも有名な話ですね。

 

 

2.投資家界隈で終わらない議論への教え

一括投資 vs 積立投資

インデックス投資 vs 個別株投資

米国 vs 全世界

きのこの山 vs たけのこの里

 これらの議論は、だいたい定期的にTwitterやブロガーの間で議論されます。

昔は私もよくブログで議論展開していたのですが、全て一長一短というか、答えは自分の中で確立するしかないんですよね。

しかしながら人間というのは承認欲求の塊で、自分の認知バイアスに気付けない人たちは今日もTwitterで消耗しています。これに対してハワード・マークスは以下のように説いております

我々は理論をあくまでも決断の手がかりとすべきであり、理論そのもに支配されてはならない。

また、理論を完全に無視すれば、大きな過ちを犯しかねない。

~2:市場の効率性(とその限界)を理解する~

 特に前半の部分は示唆に富む言い回しです。

よく一括投資と積み立て投資が議論になるのですが、『運用効率』という観点からすると一括投資に部があるのですが、実際問題『自分はできるのか?』というとこです。

しかし積み立てを選ぶにしても、資産運用会社のパンフレットの記載されているようなリターン曲線なんて描かない事を理解しておく事は重要です。

自分の脳内で期待リターンが希望リターンに誤変換されていてはいけません。

 

3.繰り返される投資ブームへの教え

さて、最近はGAFAMを中心としたいわゆるハイテク系グロース銘柄への集中投資が人気です。インデックスで手軽に投資をするなら、NASDAQになるでしょう。

インデックス投資の基本は世界時価総額比率だといわれ、いつからか先進国のみで良いとなり、ここ数年ではS&P500だけ買ってればいいのだとなって、今ではNASDAQのみで良いという風潮です。

 

さて、以下の線図をみてください

        

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おそらく大多数の人の脳内では、左下のような想像をしたでしょう。

なぜ右下のような予想にならないのか?

 

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上記の水色の線図は私が適当に書いたチャートなんですが、みなさんの脳内では奇麗に右肩上がりのチャートを描いていたでしょう。このような現象(認知バイアス)に対してハワード・マークスは以下のように説いています

予測は過去の常識の近い範囲内で立てられる傾向があり、ほんの小さな変化しか織り込まれない。要するに、人はいつも未来が過去と同じようになると見込み、変化が生じる可能性を軽視するのだ。

~5:リスクを管理する~

 

ハンス・ロスリングの有名な著書『FACTFULNESS』でいう直線本能ってやつですね。

ではこのような直線本能に対処するにはどうすれば良いのでしょうか?

1つの対処法として、我々人間が進化の過程で得てきた本能を逆に利用するのです。

すなわち、株価のチャートやTwitterでのみんなの反応を基にハワード・マークスが投資の真理となる一文を用意してくれています

買うことが心地よいと思えるようになったころには、価格は超お買い得とは言えるほど安くはなくなっている。したがって、居心地の悪さをともなわない利益率の高い投資というのは、だいたいが矛盾した話なのだ。

~11:逆張りをする~

 

みんながGAFAMやNASDAQのへの投資を楽しんでいる様な状況下では、アップサイドよりもダウンサイドの方が大きい『可能性が高い』ということです。

人は感情ヒューリスティックという認知バイアスに陥りやすく、「自分が好きなものは素晴らしい物」と思い込むのです。要は中味の本質的な価値に気付けていない状態なんですね。

では居心地の悪い時とはどういう時なのでしょうか?

私の中ではここ1年を振り返ると、3月上旬に原油が暴落した瞬間ですね。

「この状況下で買い付け額増やすのか~」と、とても居心地の悪さを感じました。

人間の本能の中でも恐怖心というのはとても強力です。なぜならホモサピエンスが繁栄するために身に付けてきた生存本能だからです。これを逆手に利用するのです。

そういう意味でもTwitterはとても便利ですね。どの市場が過熱しているのかがとても分かりやすいです

 

4.株は永遠に右肩上がりだとの思い込みへの教え

実力と運は別なのですが、人間は利益に対しては自分の実力と思い込み、失敗に対しては運だと思い込むバイアスがあります。

3月のコロナショック以降、世界中の中央銀行が大規模な金融緩和を行い、あらゆる資産の価格を上昇させてきました。広瀬のじっちゃま曰く、「過去30年で一番楽勝な相場」だそうです。

しかしほとんどの人には、その様な雰囲気は見られません。自分が買った銘柄、米株こそ最強!最高!だと、声には出してないけど内心そう思ってるでしょう。

私は今の様な相場でこそ、ディフェンシブになる事が重要だと思っております。ではディフェンシブな投資とはどういう事を意味するのか?

ハワード・マークスの教えを聞いてみましょう

ディフェンシブな投資をせよと言うと高尚な響きがするが、要は「恐怖心を持って投資せよ」ということだ。損失の可能性を、知らないことを、質の高い決断を下しても不運や予期せぬ事態で台無しになる可能性を、恐れるのだ。そうすれば、思い上がりを防ぎ、慎重さを保ち、心のアドレナリンを分泌させつづけることができる。また適切な「誤りの許容範囲」にこだわって、状況が悪化した場合にもポートフォリオがその影響を受けずに済む確率を高めることができる。もちろん状況が悪化せずに済めば、儲かる資産が自ずと全体のパフォーマンスを引き上げるのである。

~17:ディフェンシブに投資する~

 

今の相場で『恐怖心』をもっている人はどれだけいるのでしょうか?

上がり続ける相場からさらに利益を得ようと、インデックスから個別株に乗り換えた人。インデックスの中でもセクターに集中した人。レバレッジ掛けだした人も多いと思われます。これらの行動は全て、脳内に『株は永遠に右肩上がりだ』とのバイアスによるものです。ハワード・マークスの教えをさらに聞いてみましょう

「起きるはず」のことをあてにしすぎると、それが実現しなかったときに投資家生命を脅かされかねない。前提となる確率分布について正しく理解していたとしても、起きるはずのことが起きると決めつけるわけにはいかない。そして、投資の成功を目指して行動するのなら、標準的な結果になることに過度の期待をしてはならない。むしろ、標準的な範囲から外れた結果について考慮する必要がある。投資家はうまくいくことを期待するからこそ投資するのであり、その分析は起こりそうなシナリオに基づいたものになる。だが、ほかの可能性を無視してそうしなシナリオにこだわり、悪い結果が生じた場合に命取りになる水準までリスクとレバレッジを高めてはならない。最近の金融危機における投資家の破綻のほとんどは、想定外のことが生じたためにもたらされたのだ。

~18:落とし穴を避ける~

 

5.ノンポジまん煽りへの教え

いわゆるキャッシュポジションを意味します。相場が好調な時、フルインベストメント勢の極一部の人は、キャッシュポジションを大きく保有している人を小ばかにしたりします。

中央銀行が大規模な金融緩和をすることで現金の価値が相対的に低下してるのは事実なので、いぬまん氏の言葉を借りるとノンポジ税ってやつですね。

しかしキャッシュポジションというのは個々の世帯が負える最大損失や家計のキャッシュフローによって千差万別です。

コロナ禍によって収入が減った世帯も多いと思われます。そのような時も積み立てを継続するにはキャッシュポジションは重要なのです。そしてハワード・マークスは事前の備えに対して以下のように説いています

相場は良い時期の方が長いが、「守り」の真価が明らかになるのは悪い時期(潮が引いたとき)だけである。したがって、相場が良い時期にディフェンシブ投資家は(おそらく最大限ではなかっただろうが)自分のリターンがリスク予防措置を講じた結果、得られたものだと知ることで、満足しなければならない。たとえ、あとからそうした予防措置が不必要だったと判明した場合でもだ。

~20:すべての極意をまとめて実践する~

 

自分のポートフォリオを守れるのは自分だけであり、ポートフォリオを事後的に守ることはできないのです。

  

これにて私が読後フォローした10箇所のうち、6か所を紹介させていただきました。

ハワード・マークスの20の教えが、皆さんの長期投資の支えになれば幸いです。

 

 

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