こんばんわ、きしやんです★
リーマンショックから10年が経ち、これといったバブル崩壊に繋がる金融危機もなく、
米国株価は史上最高値を更新し続けています。このまま株価は宇宙まで上昇を
続けそうな勢いですね♪
しかし明るい話だけではなく、怪しい足音がいくつか聞こえてきていることを
無視してはいけません。先日、ブルームバーグに掲載されていた記事を2つ添付します
CLOと自動車ローン。これら2つは名前も形も違いますが、いわゆる債務=ローン、
クレジット、借金です。米国では債務が異常に膨れ上がってきているのが問題視されて
きてるのです。さて、10年以上前に聞いた話ですね。
今回の記事では、経済の基本的な仕組みと米国の債務問題についてお話します。
1.経済の基本的な仕組み
お金と物の交換
経済の流れと債務の関係性に関して、レイ・ダリオが作成した『30分で判る経済の
仕組み』から、いくつか抜粋して説明していきます。
経済とは、物・サービスをお金と交換することで成り立っています。
つまり、誰かの消費が誰かの収入となるわけですね
このケースで収入を増やすには、消費してもらう人の生産高を向上させるしか
ありません。その場合、個々の努力・成果によって生産高の向上は異なってきますが、
基本的に線形の関係を示します。
債務と物の交換
ここで債務が入ってくると、生産高の上昇以上に消費することが可能となります。
我々の私生活で密接な債務だと、自動車ローン、住宅ローン、クレジットカード、
スマホ本体の分割払いとかですね。どれもが収入や貯蓄を上回る買い物を可能として
くれます。
債務とは、消費側にとっては返済義務を負った負債であり、収入側には資産と
なります。当たり前の話ですが、債務の返済には利子(金利)を追加して精算する
事になります。
債務とは収入の前借り
債務とは、未来の自分から借金することを意味します。すなわち収入の前借です。
借金をするといつかは消費を縮小する事になるので、この消費行動の変化こそが、
経済の変動=波となるのです
そして債務周期の底と頂点は、前の周期より高くなり、債務が増加していきます。
なぜなら人は、債務の返済より借用額を増やしていく傾向があるからです。
判りやすい例を出すと、自動車ローンの返済が終わってないのに、新規で住宅ローンを
組んだり、家電などをクレジットカードで買ったりしますよね?人は全てが順調と
思いがちなので、貸し手側もどんどんお金を貸すんですね
2.増えまくった米国の債務
話を冒頭の米国債務に戻しましょう。
下記のレポートは、JPモルガンが四半期ごとに公開しているものです
まずは左側の家計部門の債務残高ですが、2008年のリーマンショック後に一次的に
減少したものの、再び右肩上がりで増加しています。特にブルーの消費者ローンの
割合が激増しています。
次に右側の民間企業の債務残高ですが、同様にリーマンショック以降から右肩上がりの
増加が続いています。気になるのはリーマンショック前まで無かった緑色の
レバジッド・ローンの誕生と増加です。
レバレッジド・ローンとは格付けがハイ・イールド債に近いですが、担保があったり
財務状況が一定基準より悪化した場合に、債務の返済や財務の強化などを求める
オプションが付いている点などから、ハイ・イールド債よりもリスクが低くなって
いると言われています。レバレッジド・ローンは仕組み的に上手い事している反面、
サブプライム・モーケージ証券みたいなきな臭さも感じます・・・
さて米国で増加している債務ですが、クレジットの支払い遅延が増加しています。
下のレポートは同様にJPモルガンが作成したもので、米国長期金利(青線)と
景気後退期(水色抜き)、クレジットカード遅延率(紫線)と12ヶ月先の景気後退確率
(緑線)です。
最新のクレジットカード遅延率を実線赤丸で囲いましたが、クレジットカード遅延率は
過去に景気後退に突入した点線赤丸の遅延率と同等まで上昇しています
米国の景気後退入りがいつになるかは判りませんが、経済成長の7割を占める
個人消費に関する指標が怪しくなってきてます。
トランプ劇場と債務
さてこの債務ですが、債務の金利を決定付けるのは、主にFRBがFOMCで決定する
政策金利です。金利が低いと企業や家計は低金利で借金が可能となりますので、
さらなる消費の増加。すなわち、誰かの収入の増加=経済成長となります。
さてこの政策金利ですが、どっかの誰かさんがFRB議長に対して金利を下げろ!と
ひたすら圧力をかけてますよね?
そう。トランプ大統領です。
企業や家計からするとFRBに政策金利を上げられると、今より高い金利でお金を
借りる事になり、消費が縮小し兼ねないのです。誰かの消費が誰かの収入ですからね。
仮に自転車操業の企業や家計があったとしても、FRBが政策金利を下げてくれると
既存債務の返済をより低利の債務で返済する事ができるのです。
米国企業や家計のお財布事情は存じませんが、債務は収入の前借なので、いつかは
消費を縮小する時がきます。問題は、その時期がいつかは判らないことです。
しかし10年以上前にサブプライム・ローンの問題が取り上げられた際、最初は誰も
気にしていなかったそうです。その後の史実は御存知の通り。
今回、ブルームバーグが取り上げた自動車ローンとCLOの件は、10年後の未来から
振り返った際、危機の転換点になっているのかもしれません。
最後に、ハワード・マークスの著書『市場サイクルを極める』より一文を引用し、
終わりにします
すべてが順調で資産価格が上昇しているとき、投資家は未来はバラ色だと
感じ、リスクは自分の味方であって、利益も簡単にあげられると考える
傾向にある。
それでは皆様、良い投資ライフをお過ごし下さい☆
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