おはようございます。
日経電子webにて、日本郵政と大和証券が提携して投信商品の共同開発をすると
報道されていました。このニュースをパッと見た瞬間、きな臭い感じしかしなかったの
です。中身を見ると案の定、金融庁が三大ダメ商品と称する「ラップ型ファンド」を
共同開発し、莫大なゆうちょ窓口で善良な市民へ販売する計画です。。。
フィデューシャリーデューティはどこにいった??
1.業務提携の概要をサマライズ
今回の業務提携の背景として、ゆうちょ銀行も低金利で運用収入が落ち込んでおり
ます。そこで商品開発でノウハウのある大和と組んでラップ型投信の販売などの
手数料収入を増やすのが目的だそうです。
知らなかったのですが、ゆうちょ銀行は融資が認められていないんですね。民営化した
とはいえ、ほぼ国営企業ですし。つまりゆうちょ銀行も収益は、運用収入と手数料が
収益の柱になります。
ゆうちょ銀行は低金利で運用収入が減っていることから手数料収入の拡大を急いで
おり、投信残高を現在の2兆円台から27年度に10兆円に増やす目標を掲げています。
・・・。
2. そもそもラップ型投信とは何なのか?
投資信託の固有ジャンルというよりは、投資信託を利用した金融機関のサービス形態を
意味します。まず資産運用に当たり、金融機関の人と投資目的期間等に合わせて投資
方針を明確にします⇒アセットアロケーションの検討
次に投資対象の配分比率を考えた上で、資産配分の構築や投資する投資信託等の選定と
売買の判断、定期的な比率調整などを決めます
⇒ポートフォリオの構築とリバランスのタイミング
上記内容を金融機関の投資運用業者と投資一任契約を締結し任せることになります。
これをラップサービスといいます。平たく言いますと、自分で考えてやればいい
作業を金融機関に丸投げするサービスです。
3.ファンドラップが三大ダメ金融商品の1つと言われる理由
それは、死ぬほど手数料取られるからです。
もともとは富裕層を対象としたサービスだったのですが、昨今の台所事情が厳しい
金融機関が、手数料稼ぎで一般世帯も対象としてサービス拡充(搾取?)をして
います。
どれぐらい手数料が取られるかを自分で運用した場合と大和証券のラップサービスを
利用した場合で比較してみます
上記星取り表から分かるように、自分で考えて投信を選べば、支払う手数料は信託報酬
のみになります。そもそも信託報酬とは投資信託へ運用・管理をお願いする代わりに
支払う手数料ですが、ラップサービスの投信顧問料は信託報酬以外に追加で
発生します。以下は、大和証券のラップサービス毎の手数料です
通常のラップサービス。庶民が5000万円以上払えると思えません。そうなると
投資顧問料+取引管理手数料は年間1.512%です・・・
次にオンラインラップサービスです。資産額による手数料を減らすサービスはあり
ません。他社ロボアドバイザー級でしょうか?
さいごに、プレミアムサービスです。
ここまではお申込メモ・手数料のページから情報をもってきましたが、紛らわしいのが
別ページにて成功報酬に関する内容も掲載されてます。この成功報酬が投資顧問
手数料と別なのか一緒なのかは、文面を読む限り理解できません。
大和証券のラップサービスを久しぶりに眺めましたが、昔以上に分かりにくくして
ますね。対面契約とオンライン契約、プレミアム契約で手数料が異なってます。
4.手数料の差がどこまでリターンに影響するのか
実際にラップサービスを利用するとどれぐらい影響がでるのかを、eMAXIS Slim
全世界株(オールカントリー)を用いて検証します。
実質期待リターンの数字を見ると、そこまで大きな差があるように見えません。
しかし、この実質期待リターン差で運用すると、20年ぐらいのスパンになると
恐ろしい差がでます。
<計算方法>
・毎月3.33万円の積立てを20年間。
・計算ツールは投信ガイドファンドの海を利用
<結果>
・自分で運用:1389.3万円
・ラップサービス利用:1178.1万円
※算出結果は、期待リターンの複利であり、確率は 39.7% です
ラップサービスを利用する事によって、20年間で211.2万円も利益を捨てたことに
なりました。ちなみに今回、あえて全世界バランスファンドであるeMAXIS Slim
全世界株(オールカントリー)を題材にしました。
なぜなら、ラップサービスにて実施してもらう投資顧問料や取引管理手数料は、
超低コストなバランス型インデックスファンドでほぼ解決できるからです。
5.経済と投資の原則と、まとめ
聞けば当たり前のことですが、ことお金に関してはなぜかこの常識から逸脱する物・
サービスが多いです。
経済の原則:誰かの支出が、誰かの収入
投資の原則:期待リターンから金融機関に支払った
手数料の残りが、自分のリターン
今回の郵政と大和証券が提携したことで販売されるファンドラップの手数料形態は
不明なので、もしかしたらもっと安い可能性もあります。
そしてゆうちょ銀行の窓口にいる人たち全員が、このラップ型投信を積極的に
売りたいと考えてるとは思えません。しかし会社の方針なら、扱うしかないのが
現実です。きっと販売ノルマもあるでしょう。
我々個人投資家ができることは上記2つの原則を理解し、決められたコストを減らし、
期待リターンの最大化のみです。
良い投資ライフをお過ごしください☆
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