おはようございます
毎月定点観測している全世界株式インデックスファンド達の、2019年1月月次
レポートが出揃ったので、比較してみたいと思います。
今回注目の結果は、eMAXIS Slim全世界株(オールカントリー)のまさかの乖離です!
やはり新設されたインデックスファンドを全面的に推奨するのは危険ですわ
<月次レポート一覧>
※私は野村つみたて外国株投信推しなので、若干バイアスかかった記事である事を御容赦願います
1.野村・楽天・Slim(除く日本&全世界) 4つのファンドの特長
※当ブログをいつも講読して下さってる人は、「2.」から読み始めてOKです
全世界株式(除く日本)のインデックスファンド
対象指数:MSCI ACWI(除く日本)
アセットアロケーション:先進国株(除く日本)と新興国株の比率は概ね8.8:1.2
<野村つみたて外国株投信>
・目標指数:MSCI ACWI(除く日本)円換算・配当込み
・信託報酬:0.2052%(税込み)
・実質コスト:0.2508%
※ 以後、野村つみたてと呼称します
www.oyagakoniosieyou-fosterassets.com
<eMAXIS Slim全世界株(除く日本)>
・目標指数:MSCI ACWI(除く日本)円換算・配当抜き
・信託報酬:0.15336%(税込み)
・推定実質コスト:0.224%
(計算内訳)
これらのファンドの追加コストである
先進国株式(≒0.059%): 新興国株式(≒0.158%)を 8.8:1.2で
加重平均して信託報酬を足すと、下記の計算となります
0.052(先進国)+0.019(新興国)+0.15336(信託報酬)≒0.224%
※以後、slim(除く日本)と呼称します
全世界株式(日本を含む)のインデックスファンド
対象指数:MSCI ACWI、FTSEグローバル・オールキャップインデックス(※)
※MSCI ACWIが日本抜きの大型株がメインなのに対して日本&中・小型株まで
含まれている
アセットアロケーション:日本株:先進国株と新興国株の比率は概ね1:8:1
<楽天・全世界株式インデックス>
・目標指数:FTSEグローバル・オールキャップインデックス
※MSCI ACWIが日本抜きで大型株がメインなのに対して日本&小型株まで
含まれている
・信託報酬:0.2296%(税込み)
・実質コスト:0.502% ※何回か言い訳レポートだしてますが、最初の値を引用
・特徴:バンガードのETF「VT」を買い付けるだけのインデックスファンド。
ETFの価格は取引市場での需給変動の影響を受ける。
※以後、楽天VTと略します
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<eMAXIS Slim全世界株(オールカントリー)>
・目標指数:MSCI ACWI
・信託報酬:0.15336%(税込み)
・特長:MUAMとしては日本株式クラスを、初のMSCI JAPAN指数に連動する
正真正銘の現物株式100%運用の全世界株式インデックスファンド。
日本株式のマザーファンドが新設の為、コスト含め注目が集まる
以後、Slim全世界と呼びます
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2.今月の騰落率を比較
2019年1月はFOMCの利上げ一旦停止という結果もあって、世界中でリスクオンとなり
株価が上昇しました。 リスクオン:いけいけな状況
全世界株式インデックスファンドがパッシブ運用する対象指数の整理と、指数毎の
2019年1月度の騰落率を確認します
<対象指数の騰落率>
※月次レポートの値をそのまま引用
世界時価総額比率の株式による先月1ヶ月間の騰落率は約+6.2~+6.5%。
指数としては、大型株メインで世界時価総額比率にて構成されているMSCI ACWIの
騰落率が一番低い結果となりました。日本市場の大型株式が足を引っ張ったと
推定できます。
上記指数の騰落率と全世界株式インデックスファンド達の信託報酬より、騰落率の
予想順位は
Slim(除く日本) > 野村つみたて > 楽天VT > Slim全世界
となるはずです。
では、結果を見てみましょう
<各ファンドの2018年12月度の騰落率>
※騰落率算出方法:月次レポートの値ではなく、先月のレポートとの基準価額差より算出してます
予想:Slim(除く日本) > 野村つみたて > 楽天VT > Slim全世界
結果: Slim(除く日本) > 野村つみたて > Slim全世界 > 楽天VT
予想(対象指数の騰落率)に対して、楽天VTとSlim全世界の順位が逆になりました。
インデックスファンドに求められるのは対象指数に対するパッシブ運用ですので、
2019年1月度に於ける、4つのインデックスファンドの運用精度を確認すると
予実の原因が見えてきます
※「今月の騰落率」は基準価額より算出 指数騰落率は月次レポート引用
指数との乖離を確認した結果、左のグラフより楽天VTの騰落率は指数に対して
-0.24%乖離してます。Slim全世界の騰落率が指数に対して+0.22%乖離してます。
楽天VTとSlim全世界の順位が逆転していた原因が、この指数に対する乖離の
ようですね。双方のファンドで0.4%以上差が出ています。
右の折れ線グラフより楽天VTの運用は常に指数に対して追従対していないのが
分かりますが、今回はSlim全世界も指数に対して乖離が発生してました。
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Slim全世界の乖離がMSCI JAPANマザーファンドを新設したのが原因なのか
不明ですが、三菱UFJ国際投信から何らかのアナウンスがあるのか待ちたい所です。
やっぱり、新設したばかりのファンドを利用するのは躊躇しますね。
3.各ファンドの純資産総額の推移と月次資金流入量の確認
ファンドへの資金流入は金融機関にとって大事な収入源となると同時に、投資家から
支持を得ているのかの指標になりますので、純資産総額と月次資金流入のチェックは
騰落率を比較する以上に大事です。
※毎月の月次資金流入は、投信情報まとなびの値を引用しています
先月の市場がリスクオンになった為か、各ファンドの月次資金流入量は全ての
ファンドで先月比プラスです。
月次資金流入量の2018年12月に対する変化度合いは、下記表の通りです
月次資金流入量の増加率では、Slim全世界が他3つのファンドを圧倒しております。
おそらくここが、Slim全世界のリターンが指数に対して乖離して原因でしょう。
ファンドの純資産総額が小さい間は、顧客からの流入資金に対する手数料の割合が
純資産総額に与える影響が大きいのです。そしてSlim全世界はMSCI JAPANマザー
ファンドが新設なのも相まって、影響はなおさら大きそうです。
指数に対してプラスになってるから良いじゃん!って思いたくなりますが、指数に
対して乖離している=不要な売買が発生=追加コスト発生=TTLの低下に繋がるので
結果的に損するのは投資家側だということを忘れてはいけません。
私が愛用している野村つみたても先月比+2.6%と微増しました。
増加率が少ないからと言って悲観的になってはいけません。ファンド運用側からすれば
資金流入が激しく増加減するより、安定した流入の方がファンド内で不要な売買が
発生しなくなるので、ファンドの安定した運用が可能となります。
ここが、野村つみたてが指数に対して乖離が少ない=リターンが高くなる所以です。
野村つみたてのライバルである、Slim(除く日本)との資金流入量比較
私は野村つみたてが最強と信じて疑わないので(笑)、ライバルは運用対象指数が
同じであるSlim(除く日本)との比較のみです☆
では、これらのファンドの月次資金流入量と、月次レポートベースでの純資産総額の
推移を比較します
リスクオンになったおかげか、Slim(除く日本)の勢いが戻りつつあります。
しかし右の折れ線グラフから読み取れるように、Slim(除く日本)が野村つみたての
純資産総額を抜くには、月次資金流入量が恒常的に上回る必要があります。
しかしSlim(除く日本)はスポット買い付けができる為、毎月の流入量に変動が
激しいことがわかります。この行為が結果的にファンドのリターンを押し下げることに
なるんですけどね・・・
4.4つのファンドの純資産総額の推移と月次資金流入量
世界時価総額比率(含む日本)
世界時価総額比率(除く日本)
どのファンドも累計資金流出入(折れ線グラフ)が右肩上がりなので、ファンドの
繰上償還リスク観点に於いては、安心して投資できそうです
以上をもちまして、毎月比較している全世界株式インデックスFの成績比較の
レポートを終わりたいと思います。毎月ここまでデータを蓄積してると、私のこの
記事も希少性が出てきそうですわ★
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