おはようございます
毎月定点観測している、全世界株式インデックスファンド達の、2018年11月の
月次レポートが出揃ったので、比較してみたいと思います。
<月次レポート一覧>
※私は野村つみたて外国株投信推しなので、若干バイアスかかった記事である事を御容赦願います
1.野村・楽天・Slim(除く日本&全世界) 4つのファンドの特長
※当ブログをいつも講読して下さってる人は、「2.」から読み始めてOKです
全世界株式(除く日本)のインデックスファンド
対象指数:MSCI ACWI(除く日本)
アセットアロケーション:先進国株(除く日本)と新興国株の比率は概ね8.8:1.2
<野村つみたて外国株投信>
・目標指数:MSCI ACWI(除く日本)円換算・配当込み
・信託報酬:0.2052%(税込み)
・実質コスト:0.2508%
※ 以後、野村つみたてと呼称します
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<eMAXIS Slim全世界株(除く日本)>
・目標指数:MSCI ACWI(除く日本)円換算・配当抜き
・信託報酬:0.15336%(税込み)
・推定実質コスト:0.2456%
(計算内訳)
これらのファンドの追加コストである
先進国株式(≒0.0796%): 新興国株式(≒0.1852%)を 8.8:1.2で加重平均して
信託報酬を足すと、下記の計算となります
0.0700(先進国)+0.0222(新興国)+0.15336(信託報酬)≒0.2456%(推定)
※以後、slim(除く日本)と呼称します
全世界株式(日本を含む)のインデックスファンド
対象指数:MSCI ACWI、FTSEグローバル・オールキャップインデックス(※)
※MSCI ACWIが日本抜きの大型株がメインなのに対して日本&中・小型株まで
含まれている
アセットアロケーション:日本株:先進国株と新興国株の比率は概ね1:8:1
<楽天・全世界株式インデックス>
・目標指数:FTSEグローバル・オールキャップインデックス
※MSCI ACWIが日本抜きで大型株がメインなのに対して日本&小型株まで
含まれている
・信託報酬:0.2296%(税込み)
・実質コスト:0.502%
・特徴:バンガードのETF「VT」を買い付けるだけのインデックスファンド。
ETFの価格は取引市場での需給変動の影響を受ける。
※以後、楽天VTと略します
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<eMAXIS Slim全世界株(オールカントリー)>
・目標指数:MSCI ACWI
・信託報酬:0.15336%(税込み)
・特長:MUAMとしては日本株式クラスを、初のMSCI JAPAN指数に連動する
正真正銘の現物株式100%運用の全世界株式インデックスファンド。
日本株式のマザーファンドが新設の為、コスト含め注目が集まる
以後、Slim全世界と呼びます
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2.今月の騰落率を比較
<各ファンドの2018年11月度の騰落率>
※騰落率算出方法:月次レポートの値ではなく、先月のレポートとの基準価額差より算出してます
<今月の騰落率>
騰落率の関係性は 野村 ≒ Slim(除く日本) > Slim全世界 ≒ 楽天VT
っぽく見えるので、投資地域に日本市場有無が関係しているのでしょうか?
騰落率MAX~MINで比較すると、Slim(除く日本)と楽天VTの間には1ヶ月間で
0.2%も差があります。
<対象指数の騰落率>
●MSCI ACWI(除く日本):日本を除く世界時価総額 大型株メイン
⇒対象ファンド:野村つみたて 、 Slim(除く日本)
●FTSEグローバル・オールキャップインデックス:大中小型株の世界時価総額比率
⇒対象ファンド:楽天VT
⇒対象ファンド:Slim全世界
※月次レポートの値をそのまま引用
4つのインデックスファンドが運用対象としている指数3種の今月騰落率は2.8%と
同じでした。
野村つみたてとSlim全世界は同じMSCI ACWIを対象指数に対した日本市場の有無のみ
ですが、やはり差はでないですね。
3.指数との乖離
インデックスファンドに求められるのは、指数に対するパッシブ運用です。
つまり、プラスにもマイナスにも振れた分だけ運用能力としてはマイナス評価と
なってしまいますので、ここのチェックは外せません。
※「今月の騰落率」は基準価額より算出 指数騰落率は月次レポート引用
野村つみたての運用精度は相変わらずハンパないです。Slim(除く日本)も
乖離+0.02%と 超安定しています。
Slim全世界は運用開始直後のファンドにも関わらず乖離-0.09%なので、かなり
奮闘していますね。
それにしても相変わらずの楽天VTですが、今月は-0.18%と指数に対して大幅
下方乖離です。
楽天VTはバンガードのETFを買い付けるだけのスキームなので指数に追従できないのは
仕方ないにしても、運用開始同期である野村つみたてと基準価額を比較すると、
明らかにリターン差がどんどん広がっている事は明白です。
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日本市場を含んだ全世界に投資をしたいなら、楽天VTよりSlim全世界を選んだほうが
賢明かと思われます。
4.各ファンドの純資産総額の推移と月次資金流入量の確認
資金流入は金融機関にとって大事な収入源となると同時に、投資家から支持を
得ているのかの指標になりますので、純資産総額と月次資金流入のチェックは
実は騰落率を比較する以上に大事です。
全世界株式(除く日本)の月次資金流出入
●野村つみたて外国株投信
●eMAXIS Slim全世界株(除く日本)
※毎月の月次資金流入は、投信情報まとなびの値を引用しています
月次レポートには月末時点での純資産総額しか記載されておらず、月次レポートから
月次資金流入量を比較しようにもファンドが保有する資産の変動も加算されてるので
分かりません。
2つのファンドの累計資金流入量(折れ線)が右肩上がりになっているので、順調に
投資家からの資金が積み上がっていることがわかります。
10月はSlim全世界が新設されたので、日本を除く全世界インデックスファンド達の
月次資金流入量に変化が出たのでしょうか?
※投信情報まとなびの月次資金流入額より、きしやん作成
おや?Slim(除く日本)の月次資金流入が2億円近く減っており、グラフもガクッ!と
右肩下がりになっています。
それに対して地味な全世界インデックスファンド代表である野村つみたては、
先日Twitterで水瀬ケンイチさんから、ファンドマネージャーはちょっとずつ資金が
流入する方が、指数に対して安定した運用ができると言われていました。
つまり野村つみたてが指数に対して乖離しないのは、資金の安定流入によるものが
あるのかもしれません。積み立て最高♪
全世界株式の月次資金流出入
●楽天・全世界株式インデックス
●eMAXIS Slim全世界株(オールカントリー)
楽天VTの月次資金流入量(棒グラフ)は先月比で減少してますが、相変わらずの
10億円超え/月になります。人気ありますね~☆
しかし楽天VTの月次資金流入量は先月比-2億円ですので、これはもしやSlim全世界の
登場に顧客を奪われたのでしょうか?
今回から4つのファンドの月次資金流入の変動を比較するグラフを作成しました
楽天VTの資金流入量の減少は、Slim全世界の登場とは関係なさそうです。
なぜならSlim(除く日本)も同じ角度で下がっています。
そして野村つみたては先月比微増。というか、他の楽天VTとSlim(除く日本)の
変動が大きくて、野村つみたてのグラフがフラットに見える(笑)
さてこの月次資金流入の変動グラフより、4つのファンド達には下記傾向がありそうに
感じます
<競合相手>
●楽天VT:相場変動とSlim全世界 ※投資家心理と類似コンセプト
●Slim全世界:相場変動と楽天VTとSlim(除く日本)
※投資家心理と類似コンセプトと自社競合
●Slim(除く日本):相場変動と野村とSlim全世界
※投資家心理とライバル他社と自社競合
●野村つみたて:ライバル他社
野村つみたての「積み立てしかできない」というコンセプトは、競合相手を減らす
独自性になっていそう。これがはたして野村AMの狙いだったのかは不明です☆
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