おはようございます
インデックス投資家&投信ブロガーとしても大先輩である水瀬ケンイチさんが先日、
ご自身のブログにて下記記事をアップされていました
記事の内容をざっくり要約すると、過去のリターンを基にどの商品(投資方法)が
優れているのかを追求する記事、 Twitterが多いが、それはリスクの増大を完全に
無視した状態となっている、と危惧されています。
水瀬さんが取り上げられた事に関しては私も近々記事にしようと思っていたのですが、
さすがは水瀬さん!
雨雲の感知度合いがウェザーニュース級です
水瀬さんは御自身の著書【お金は寝かせて増やしなさい】にて、過去にインデックス
投資に賛同してくれていたファンがリーマンショック後、怪しい投資手法に転換した
アンチになったお話を書かれていました。
最近の相場好調で「投資は○○だけで良い」「投資先は○○が優れている」って
雰囲気が漂ってきたのを察して、水瀬さんはあの記事を作成されたのかな?と、
勝手に勘ぐっております。
私は基本的に100人いれば100通りの投資手法があるから、それで何ら問題ないと
思っているのですが、これから投資を始めようという人及び、投資を始めたばかりの
人達に改めて意識して欲しいことがあるので、今回は投資手法にフォーカスした
記事にしました。
よって、中には御自身の投資手法に対して批判的な内容になるかもしれないことを、
予め御容赦願います。
私の勝手なイメージかもしれませんが、多くの個人投資家はアメリカにしろ
インドにしろブラジルにしろ、100%個別株だけではなくその国を対象とした
インデックスファンドも利用されているかと思います。
最近特に人気なのが楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)や
S&P500指数のみを対象としたインデックス投資です。
広義でのインデックス投資という観点では、世界時価総額比率の50%を占めるアメリカ
株価指数への投資はインデックス投資なのかもしれませんが、それに対して
投資家にとってバイブル的な著書【敗者のゲーム】を書かれたチャールズ・エリスは
著書【インデックス投資入門】の「第8章:リスク管理に役立つ」にて、下記の様な
内容を書かれています
よくできたインデックスファンドのような市場全体の構成から自分の
資産配分が離れてしまっていると、離れてしまっている分だけ追加的な
リスクを負うことになる。
小型株や新興国株、高配当株やハイテク株など、自分がこれだと思う株を
市場の示す配分比以上に買うと、その判断を間違うリスクを負う。
インデックス投資を基本とされている人は、多かれ少なかれバートン・マルキールの
【ウォール街のランダムウォーカー】や、チャールズ・エリスの【敗者のゲーム】
など、インデックス投資のバイブル本を読まれているかと思います。
そしてマルキールもエリスも、一貫して過去のリターンは将来のリターンを
証明するものではないと主張されているのはご存知のはずです。
それにも関わらず投資対象の国は「この一国だけで良い」「この地域郡だけで良い」
と言うのは、エリスの言う、良くできた(世界時価総額比率)インデックスファンドに
対して超過リターンを狙おうとしていることになります。
それは狭義で言うと、アクティブ運用に他なりません。
名称を付けるとしたらアクティブ・インデックス投資。もう、意味不明。
話を少々アメリカにフォーカスしますが、S&P500をはじめとしたアメリカの
株価指数は、過去何十年も世界株価指数に対して高いリターンを出してきたのは
事実です。
ではアメリカの株価指数が、この先も世界株価指数をアウトパフォームし続ける
保証があるのでしょうか?
アメリカの株価が世界時価総額比率の95%を占めるようならアメリカ一択で
良い気もしますが、実際は50%ほどなので、1国集中によるカントリーリスクを
100%負う事になります。
もちろん集中投資とは逆に、世界時価総額比率で投資をすることによるデメリットは、
期待リターンの低い国・マイナスリターンの国までも全て巻き込んでしまう為トータル
リターンが抑えられがちになります。
しかし、そもそもなぜ分散投資をするのでしょうか?
高いリターンが欲しいのならインデックス投資などせず、個別株の集中投資を
すればいいのですが、中々それもできません。なぜか?
当然ながら個別株への集中投資は多額の資金が必要だったり、最悪の場合投資先
資産価値がゼロになる可能性があるのと、前もって成長が確約できる企業を選出する
自信がないから、インデックス投資を選択したはずです。
そのリスクを下げるためにインデックス投資という分散投資方法を選択したにも
関わらず、最近の好調な相場や高い投資リターンを出した人たちの情報に当初の
分散投資という観点を忘れてしまってませんか?
この「周りの人の投資リターンに気持ちが流されてしまう」ことに対して、バートン・
マルキールは著書【ウォール街のランダムウォーカー<原著第11版>】の「第10章
行動ファイナンス学派の新たな挑戦 2節 行動ファイナンス理論から得られる教訓」
にて、下記の様に書かれています。
こと株式投資に関しては「敵に出くわした。自分と言う敵にな」と
言ったように、自分自身が最大の敵なのだ。
私たち人間は自分自身の心の気まぐれにいかに振り回されやすいもので
あるかを十分認識する必要がある。
そのことが馬鹿げた錯覚によって財産を危うくすることから身を
守ることになる。
ネット株が値上がりを続けている局面で、自分も一枚かんで幸せな
気分に浸りたいという誘惑に抵抗するのは難しい。
特に親しい友人たちが大儲けした手柄話を得意げに吹聴するのを聞くと、
なおさらだ。
すでに十分な投資経験をお持ちになり、自分の中で確固たるイメージ&ストーリーが
出来上がっている方は何ら問題ないと思うのですが、ここ1・2年の間に投資を
始められた方は、投資方法・投入資金量が、ご自身のリスク許容度を上回って
いないか、今一度見直してみてはいかがでしょうか?
高いリターンを望むとリスクは必ず大きくなりますが、高いリスクを負っているからと
いって、高いリターンは保証されません。
我々個人投資家ができることは、投資先を分散して自分のリスク許容度・選好度以下に
なるようリスクを低減させ、長く市場に居続けることだけです。
<まとめ?>
投資手法に関して言及することは極力避けていたので、今回の私の記事を読んで
気分を害された方はいらっしゃると思います。謝罪申し上げますm(_ _)m
投資手法に関して議論するつもりはなく、この先コツコツ投資を続ける仲間が
減らないようにと思い、今回の記事を書かせていただきました。
もちろん世界時価総額比率が正解って訳ではないのも事実ですが、仮に集中投資で
失敗しても、誰も助け舟を出してくれない完全な自己責任の世界だということを、
心の片隅に置い欲しいってのが本音です。
つまり、下落相場で「30%減った!どうすればいいですか!?」って誰かに
泣き付いても「時既に遅し」と言うわけです。
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