おはようございます
当ブログは国際分散投資派なので、1カ国への集中投資に関してはあまり
取り上げてきませんでした。
とはいっても米国は、世界時価総額比率の約半分を占めるので、今回は注目&
人気のあるiFree S&P500と楽天・VTIのどちらがお勧めなのか、データから
検証したいと思います ※定期的にリライトしていきます
今回の検証で得られた結論を申しますと
①長期的に見ると楽天VTIの方が、概ね優秀な傾向がある
②楽天VTIは、急な為替変動に弱いかもしれない
③iFree S&P500は純粋なインデックスファンドではなかった
では毎度ながら、データを基に検証してみましょう。
1.2つの投資信託の特徴を知る
iFree S&P500インデックスファンド
・運用会社:大和投資信託
・目標指数:S&P500
・信託報酬:0.243%(税込み)+α%
※決算未の為、信託報酬以外の運用コスト不明 ちょっと怪しい気がする
・設定:2017年8月31日から運用開始
・FOY2017成績:10位
楽天・全米株式インデックスファンド(通称:楽天VTI)
・運用会社:楽天投信投資顧問
・目標指数:CRSP USトータル・マーケット・インデックス
・信託報酬:0.169%(税込み) ※運用会社取り分0.1296%+VTI経費率0.04%
※i-mizuho米国株投信の運用コストを楽観的にみて0.05%
・推定実質コスト:0.219%
・設定:2017年8月31日から運用開始
・FOY2017成績:3位
・特徴:バンガード社のETF「VTI」を買うだけのファンドオブETF
2.2つの指数の違いを知る
S&P500
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出する、米国大型株式指数
(米ドル建て、配当抜き指数)で米国株式市場全体の時価総額の約80%を
カバーしています
CRSP USトータル・マーケット・インデックス
米国株式市場の大型株から小型株までを網羅し、投資可能銘柄のほぼ100%となる
3.楽天VTIとiFree S&P500の運用成績結果
投資信託の運用成績を比較するにあたって、決算によって発行される
運用報告書を基に比較される人が多いですが、別に運用報告書がなくても
投資信託の実力を比較することは可能です。
そもそも基準価額とは、その投資信託の
①組み入れ&預かり資産から
②日割り分の信託報酬を引く
③信託報酬以外に日々発生する追加コスト(取引手数料や広告・事務費)を引く
④運用社(者)の指数への運用制度を掛ける(掛けるでいいのかは不明)
⑤受益者(投資家)総口数で割る
{①-(②+③)}×④/⑤
にて、算出されますので、同一日からの騰落率(基準価額の変化率)を比較すれば
運用成績の比較は可能です。
つまり運用報告書は、基準価額変動の結果を説明しているのであって、発行を
待つ必要はないのです。
楽天VTIはiFree S&P500より運用開始が遅く、運用開始直後は運用が暴れやすいので、
公平性を出すために2017年12月1日を基準とした、毎日騰落率を比較します
この記事を書き出した 2018年6月14日時点での騰落率は
楽天VTI:+4.66%
iFree S&P500:+4.08%
約6ヶ月後の運用期間に於いては、楽天VTIの方が高リターンという結果になりましたが
仮に2018年1月中旬時点だとiFree S&P500の方が高リターンになります。
つまり、断片的なタイミングでは投資信託の優劣は判断出来ないことになります。
4.楽天VTIとiFree S&P500の運用成績経時比較
「3.」で用いた騰落率を用いて、検証期間中の楽天VTI騰落率から
iFree S&P500の騰落率を引いてみることで、どちらの成績が優秀か比較してみます
下記グラフはゼロを基準に下側に振れると、楽天VTIのリターンが iFree S&P500より
低いことを意味し、逆に上振れするとiFree S&P500より高リターンを意味します。
楽天VTIは、 2017年12月から2018年3月中旬までiFree S&P500に対して
負けているものの、それ以降はiFree S&P500を上回る結果となりました。
2017年12月から今日までの騰落率を勝利日数で表すと、現時点では
iFree S&P500が優勢です
・楽天VTI:56日
・iFree S&P500:74日
気になるのが2018年3月末以降楽天VTIの方が高リターンとなっているところです。
3月時点で何か転換点があったのかは不明なので、完全な仮説ですが、
楽天VTIは円・ドルのチャートを見る限り急な為替変動に弱いのかもしれません。
楽天VTIがiFree S&P500より下方乖離が大きくなったのは2018年1月からで、
同タイミングで円・ドルのチャートも3月付近まで円高へ激しく振れており、
それ以降は円安方向になっています。
では次に、2018年以降4月以降から楽天VTIが上方乖離した原因を検証すべく
騰落率差異グラフを、両ファンドの騰落率グラフに挿入してみます
このグラフより読み取れるのは、楽天VTIは上昇相場に於いてiFree S&P500より
優位性がありそうで、これは信託報酬を含めた運用コストの差が影響している
可能性があります。
コストの差は一般的に、上昇相場リターンの足枷になると言われていますので、
今回の検証結果からするとiFree S&P500の運用コストが楽天VTIより
わりと高いことを意味しています。
そもそも信託報酬の時点で、楽天VTIの方が低いですしね。
長期的にアメリカ市場が成長するのを前提とすると、iFree S&P500より楽天VTIの方が
優秀だと言えそうです。
5.iFree S&P500は純粋なインデックスファンドではなかった
今回の検証で改めて、両ファンドの交付目論見書や月次レポートを読み直した際に
気づいたのですが、iFree S&P500は現物株100%の運用ではありませんでした。
上記は2018年5月の月次レポートですが、資産別構成を見ると、現物外国株式は
全体の56.6%しかなく、外国投資信託が39.7%も占めております。
はぁ!?って思ので、改めて請求目論見書を確認しました。
すると確かにiFree S&P500のマザーファンド保有資産割合に、元々アメリカの
投資信託証券が29.6%弱保有されていることが記載されており、商品名も
I SHARES CORE S&P500 ETFって明記されてた(^^;
それが分かったからと言ってiFree S&P500のコストが楽天VTIより高い理由には
なりませんので、両ファンドの運用報告書がUPされるのを楽しみに待ちたいと
思います。
<以上より>
私が米国集中投資をするのなら、楽天VTIを利用したいと思います
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