インデックス投資はこれといってやる事もないので、ブログのネタを探すのに日々、
いろんな経済系のweb記事を読んでいます。
そして毎日チェックを欠かさないのが、NIKKEI STYLEマネー研究所です。
このNIKKEI STYLEマネー研究所で時々開催されるのが、さわかみファンド
創設者であり現在会長の澤上篤人さんと、現在のさわかみファンドCEO
草刈貴弘さんによる長期投資に関する対談トークのコーナーです。
けっこー辛口なトークを繰り広げるから面白くて毎回チェックしているのですが、
今回のは私の読解力がおかしいのか?と思うくらいの内容だったので、
記事にしたいと思います。
そして私の読解力がおかしかったら、御指摘いただきたい・・・
1.さわかみファンドとは
さわかみファンドは東証一部上場企業を中心に、東証二部・JASDAQ銘柄にも投資する
日本株式のアクティブファンドです。
1999年8月に運用が開始されており非常に運用期間が長く、純資産総額が3000億円超えの老舗ファンドであり、長期投資を掲げた最初の直販投信だと思われます。
長期投資に興味を持たれた方なら、必ず耳にしたことがあるかと。
ファンドとしての方針は目論見書より
経済の大きなうねりをとらえて先取り投資することを運用の基本とし、その時点でもっとも割安と考えられる投資対象に資産を集中配分します。
そのなかでも市場価値が割安と考えられる銘柄に選別投資し、割安が
解消するまで持続保有する「バイ・アンド・ホールド型」の長期投資を
基本とします。
と書かれています
2.つみたてNISAに対する、金融機関への厳しい指摘
金融庁が力を入れているつみたてNISA制度は、信託報酬へのフィルターが
厳しいので、金融機関にとっては旨味が少ないと思われます。
しかしながら金融機関からすると つみたてNISAに対する世間の目以上に、
金融庁からの目が気になるのでしょうから、表向きはつみたてNISA用のファンドを
たくさん出してきました。
記事を読んだ限り澤上会長は、長期投資とは15年・20年以上で多く効いてくるので、
非課税期間が終わるからといって、顧客が大事なリターンを得れるタイミングで
売却に走らないように、金融機関がフォローするのが大事だと言われている
感じがしました。
澤上会長は積立投資のメリットを、下記のように言われています
投信を積み立てで購入する最大のメリットは、相場環境が悪く
基準価額が大きく下がっている時に、購入口数を一気に増やせることだ。
投信購入による財産作りは、いかに購入口数を稼ぐかが鍵となってくる。
全く持ってその通りで、今のように相場が上下している時こそ淡々とファンドを
購入し続けることが、株価回復局面で大きなリターンを生むのです。
しかしアクティブファンドである限り、肝心な運用担当者が下落局面でも
買いにいけるのかが腕の見せ所でしょうから、澤上会長は他のファンドに対して
厳しいコメントを発せられています
運用サイドが相場下落時に逃げることなく、しっかり安値を買い増して
くれていることが絶対条件となる。その点、日本の投信会社が一体どこま
で暴落相場を買い増しできるのだろうか? 下げ相場を右往左往するの
が、彼らのいつものパターン。そうだとすると、せっかくの暴落相場で
有効な買い仕込みができないことも、大いにあり得る。
そしてこの後から、意味不明な発言が続きます・・・
3.支離滅裂トーク開始
私の読解力では理解できなかった部分を丸々引用します
澤上会長
もっと面倒なのは、つみたてNISAになだれ込んできている投信の大半が
インデックス(指数)連動型であることだ。インデックス連動型の
運用だから、相場が下がればどんどん売るし、上がれば積極的
に買おうとする。だがそれでは、とてもではないが積み立て購入制度の
メリットを享受できない。むしろメリットを自ら捨てに行っているような
もの。
草刈CEOコストが安いからという理由がインデックス連動型が選ばれる
要因ですが、結局リターンが高くなければ意味がない。
ただ、インデックス連動型の値動きは所詮市場の動きに連動するだけにす
ぎない。
インデックス連動型を選択するのであれば、投資家自身が市場の動きを
見て売買するしかないんですが、それでは安心できる積み立て投資とは
違ってしまいますからね。投信は、コストを含めてもそれ以上の
パフォーマンスであればいいわけなんですが。
・・・意味分かりますか?
まぁ、分かると言えば分かるんですが、すんなり理解できないのが本音。。。
私には、この二人が投資家(受益者)側と運用側の思惑が混同している気がして、
非常に分かりにくい内容だと思いましたし、そもそも正しいのか?って
疑問を抱いています。
二人の発言に対する疑問を、私の考えを基に整理していきたいと思います
疑問Ⅰ:澤上会長の発言①
インデックス連動型の運用だから、相場が下がればどんどん売るし、
上がれば積極的に買おうとする
それの何が問題なんですかね?インデックスファンドとは設定した指数に対して
追従する運用が求められています。
日経平均を目標指数としたインデックスファンドなら、日経平均が5%下がれば
ファンドの基準価額も5%下がるように株式を売買しますし、日経平均が
10%上がれば、それに追従します。
それがインデックスファンドという商品なのであり、澤上会長の発言はインデックス
ファンドとアクティブファンドを同じ設計の商品という目線で話されています。
移動手段である車とバイクを例にすると、澤上会長は
渋滞している時はバイクの方がすり抜け出来て便利なのに、車を利用している
人たちは効率が良くない
と、言われているのです。
車は雨風に強いし、乗員同士で気軽に会話ができます。
同じ移動手段というカテゴリーでも、機能は全く違うもの同士を比較しても
どうかと。
疑問Ⅱ:澤上会長の発言②
だがそれでは(=インデックスファンドが、株価が下がったら売って、上
がったら買う)、とてもではないが積み立て購入制度のメリットを享受で
きない。むしろメリットを自ら捨てに行っているようなもの。
この文章を見た瞬間、朝食を食べていた私の全てが停止し、妻が「どしたの!
大丈夫!?」と声をかけてくれました。
この発言が一番混乱しました。
相場下落時にインデックスファンドの基準価額が下がったら、定額で積立投資を
している投資家は購入口数が自然と増えますので、積立制度のメリットを十分に
得ることができます。
よって、メリットを自ら捨ててなんかいません。
これがファンドマネージャー側からすると、相場下落局面は安く買いにいける
チャンスなのにも関わらず、投資家がビビッて解約注文が入ると、運用側は
売りたくもない株を手放して解約金を用意するので、運用効率が悪くなります。
ファンドマネージャーとしては最もな発言だと思うのですが、投資家側からすると
全く持って支離滅裂です。
もう1度整理しますが、インデックスファンドは指数に追従する運用を
求められますので、運用側が相場下落時に買い足さないといけない理由はありません。
積み立て投資とは一般的に「定額買い付け」のことを意味しますので、相場下落時は
単純に買い付け口数が増えますから、十分にメリットを得ています。
・・・私、認識間違ってます??
疑問Ⅲ:草刈CEOの発言①
インデックス連動型を選択するのであれば、投資家自身が市場の動きを
見て売買するしかないんですが、それでは安心できる積み立て投資とは
違ってしまいますからね。投信は、コストを含めてもそれ以上の
パフォーマンスであればいいわけなんですが
積立投資(ドル・コスト平均法)のデメリットは主に2つあります
①相場高騰時にも割高で買い続けてしまう
②一括投資よりも一般的にリターンが低くなる傾向がある
しかしながら積立投資(ドル・コスト平均法)の本質的なメリットは、いつが買いの
正しいタイミングなのか分からないのだから、機会損失を避ける為に淡々と買い続ける
ところにあります。
ですので、どこが「安心できない積立投資」なのかが、さっぱり分かりません。
投資信託は資金流入が続かないと成り立たなくなりますので、そういう観点からすると
「長期で付き合える投資信託を選ばないと」安心して積立投資ができないって意味なら
分かります。
しかし、それとインデックス投資に対して、ましてや投資タイミングともなると
関係性はどこにもありません。
インデックス投資家は「市場平均の期待リターンで良し」と判断しているのだから、
下げ相場に投入資金を増やすも、そのまま定額積立するのも自由なのです。
私からすると、運用者の投資判断が介入する方が、安心できないと思ってしまいます。
草刈CEOの安全って基準が知りたいですね。
よもや「私に預けるのが一番安全です」って、詐欺師が使う様な基準じゃ
ないことを願いたいもんです。
4.さわかみファンドの本音(推測)
さわかみファンドのツートップは何を言いたいのかさっぱり分からなかったのですが、
モーニングスターの資金流出入グラフを見ると、なんとなく検討がつきました。
ご覧の通りさわかみファンドはこの4年間、ほとんど資金流出超過が続いています。
私の推測ですが、さわかみファンドのお二人は投資初心者に対して決して嘘ではない
業界情報(投資家側の利益と運用側の実情)を織り交ぜて、インデックス
ファンドよりも無理やりさわかみファンドの優位性を伝えて、顧客離れを
食い止めたいのではないでしょうか?
最近のさわかみファンドの運用成績は、ライバルであるひふみ投信と比較すると、
悪いと言わざるをえません。
※ひふみプラスの資金流出入グラフ
昨今のさわかみファンドの資金が流出して、ひふみ投信に流れ込んでる感が
ありますね。
アクティブファンドの存在意義は、他のライバル投信達よりも高いリターンを
上げるところにあります。
私からするとリターンが低迷&資金流出が続いているアクティブファンドへ
積立投資を続けることこそ、「安心できない積立投資」になります。
今回のNIKKEI STYLEマネー研究所での記事が、受益者へ発信する手紙なら
理解できますし、メディア上の演出の可能性もあります。
日本で長期投資を牽引してきた歴史あるファンド、人物の本音が
私の推測と異なっていることを願いたいですね。
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