本日、積立投資をしている国内債券クラスのインデックスファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンドを全て売却しました
と同時に、その売却金で「個人向け日本国債 変動10年」を購入しました。
債券も株式と同じ立派な金融資産ですが、株式以上に身近な存在にも関わらず、
イマイチ値動きや有用性が伝わってません。
あまり詳しく説明できないかもしれませんが、今回は債券のリターンと価格について
インデックスファンドと個人向け国債変動10年の違いについて、資産形成での
扱いに関して書きたいと思います。
①債券に関して最低限知っておきたい事
債券とは、満期まで保有していれば「その債券が発行された時の利息」が、
100%付いてお金が返ってきますが、その発行体が倒産した場合は、
ただの紙くずとなるリスクがあります。
よって発行体の信用が高いと一般的に金利(利息)が少なく、信用が低いと
金利(利息)が高くなるのは当然ながら、「紙くずになるリスク」が高い程、
リターンが高くなるトレードオフの関係だからです。
ちなみに債券は株式と同じで、その時点での市場価格で売買が可能となります。
※個人向け国債はこれに該当しません
②債券は金利が上がれば値段(価値)が下がる
いきなり「はっ?」って思われた方もいると思いますが、そうなんです。
債券は金利が上がれば値段(価値)が下がります。
とあるA株式会社の株式が1000円⇒1100円に上昇すると、A株式会社の株式を
保有している全員の株式価値が1.1倍に上昇するのに対して、債券の場合は
その債券が「発行された時の金利」がその債券の「価値」になる為、
自分が持っている債券より高い金利の債券が発行されると、自分が保有している
その債券の「市場での価値」は相対的に低下します。
これは債券が「固定金利」で利回りが決まっている為、株式の様な
変動式ではないのが理由です。
(例)新規発売の債券は、100万円でしか販売してもらえない国として仮定します
1%の金利が付いた100万円のA債券を買った場合、満期まで保有していたら
帰ってくる金額は1%の利息が付いた101万で、1万円のリターンとなります。
後に金利が2%になったB債券が発売された場合、売価は同じく100万円なので
満期後のリターンは2万円追加の102万円となります。
このB債券が発行されてからA債券を市場で100万円で売却しようと思っても、
金利1%の魅力しかないA債券はB債券の魅力に負けてしまい、
誰も買ってくれません。
そらそうですよね?同じ100万円出すのなら、2万円リターン金利2%のB債券を
誰もが買いますので、B債券の金利2%魅力に勝つには、売価を下げてお買い得感を
出すしかありません。
■B債券(金利2%):100万円購入後のリターンは2万円
■値引き対応A債券(金利1%)
B債券の2万円リターンに釣り合うには、A債券100万円へのリターン1万円に対して
追加で1万円の魅力を出さないといけませんので、A債券を市場で売却するには
101万円の価値をもったA債券を99万で提示する事で、B債券に対して足りない1万円の
魅力もたせた「実質2万円リターンのA債券」に変身する事になります。
※実際の債券利回りの計算に対して、ちょっと極端な書き方してますので、
イメージとして掴んでください
これが、債券は金利が上がれば値段(価値)が下がる理由です
③個人向け日本国債 変動10年の魅力
金利が上がれば値段(価値)が下がる理由は、債券の金利が満期まで変化しない
「固定金利」の為であり、銀行や企業が購入できる債券は固定金利のみだからです。
それに対して日銀は、個人向けにのみ「変動金利」の債券を販売しており、それが
個人向け日本国債変動10年です。
変動10年の金利は、10年固定金利に対して0.66倍と金利魅力は低下して
しまうのですが、変動10年の最低金利は0.05%と定められている為、日銀が
どんなけマイナス金利政策をとろうが、銀行預金は低下しても
個人向け日本国債変動10年の金利は0.05%未満にはなりません。
仮に10年固定金利が上昇した場合は、世の中の固定金利債券の価値は低下しますが
変動10年国債は連動して金利が上昇する為、債券としての価値は低下しません。
※インフレによる金利上昇の場合、変動10年の金利上昇が不足している場合、
相対的にお金の価値は低下します
ちなみにこの個人向け日本国債変動10年は名前通り、個人にしか
販売してもらえないにも関わらず、世の中の金利情勢に連動して対応してくれて、
日本が消滅しない限り「元本が完全に保証されている」有価証券となるのが、
個人向け日本国債変動10年が優れている所以です
④国内債券「インデックスファンド」の場合、金利上昇局面で下落する
個人向け変動10年に対して国内債券インデックスの場合は、固定金利の日本国や
地方自治体から発行されてる債券を保有して運用していますので、金利上昇局面では
「価値が下落」してしまうのは、上記理由からです。
今の日本国債の金利は日銀のマイナス金利政策の影響もあって過去10間で最低の
値を推移している為、これ以上の金利下落はほぼありえません。
日銀は長期金利すらもコントロールしようとしていますが、債券は株式と違い
お金の価値として位置付けられている為、人口減少による衰退していく日本に於いて
今の貨幣価値が維持できるとは思い辛く、そうなると世界の紙幣価値に対して日本の
国債は魅力が低下するので金利を上昇せざるをえず、そうなると債券価値は
下落の一途を辿ります。
※日本の国債は国内で消化しきっているから、国債の価値が下落する事はないとの
考察もありますので、この考察に限りません
仮に日本国債の金利が上昇しだすと、固定金利で運用している国内債券インデックス
ファンドが保有する債券価値は下落し出しますが、その際に投信保有者が
国内債券インデックスを売却し出すと、ファンドマネージャーは価値が下がった債券を
売却せざるをえず、ますます国内債券インデックスの基準価額は下落の一途を辿り、
それが売却スパイラルを発生するかもしれません。
今が過去最低の金利情勢の為、今後の金利は現状維持があったとしても
金利絶対値としては上昇する方向しかないので、これから国内債券インデックスに
起こる事は金利上昇による基準価額の永遠下落しか待ち受けてないと思い、
本日をもって国内債券インデックスを全て売却して、積立設定を解除しました。
⑤今後の方向性と指南
海外の債券は日本に対して利回りが高いのが魅力的ですが、債券は「お金」の為
日本円は世界の通貨として相対的な価値が高いから金利が低くなりますが、
海外債券は為替の影響もあって金利が高い為、急に円高に振れると影響を
モロに受けるので、海外債券インデックスファンドは魅力が低い理由となります。
しかしながら海外債券(先進国)も金利が低い今、今後は金利上昇局面しか
残されていないので、今は債券クラスから資金を引き上げた方がいいのでは?
ってのが私の「現状での」投資方針です。
よって債券クラスからは資金を撤収して、一部は国内債券変動10年に投資しつつ、
楽天銀行と楽天証券の口座を「マネーブリッジ」した預金金利を0.1%に
上昇させてる方が、賢いお金の保管だと思います。
UFJ銀行とかの定期預金の金利が0.001%なので、楽天銀行のマネーブリッジの
金利は0.1%な為、利回りが100倍高くなります。
債券クラスと楽天口座預金の比率は今後、ちょっと考えてブログに
アップしようと思いますが、今言える事は国内債券インデックスから
資金は撤収した方がいいのでは?ってとこです。