巷では「貯蓄から投資へ」が「貯蓄から資産形成へ」とキャッチフレーズとなって
言われており、そのツールとして投資信託に注目が集まっています。
とは言っても、私達は働いて貯金すること意外資産形成の方法を教わってこず、
急に「貯蓄から資産形成へ」って言われてもね~感じです。。。
使うと便利な投資信託ですが、そもそも投資信託って何ですか?って疑問に対して、
簡単ではございますが、皆さんの一助になれればと思い記事を書きます
これから何回かに分けて説明していこうと思いますので、流れとしては下記の通り
<目次的な>
第一弾:投資信託って何ですか? ←今回はココ
第二弾:なぜ投資信託で資産が増えるのか
第三弾:投資信託の手数料と税金達
第四弾:アセットアロケーションを決めて、積立設定を始めよう!
第五弾:積立投資は放置が9割。リバランスを年に1~2回しましょう
私は株や不動産投資をやった事がないので分かりませんが、株では少し
まとまった金額(数万円)が、不動産ではローン含めた大きな費用が必要なのに対して
投資信託は、ネット証券会社を利用すれば100円からの投資が可能となります。
投資信託とは構造上、「多くの投資家」からお金を集めて資産を大きくして
運用する為、個人が投資する費用は株や不動産ほど高額な費用を必要としないのが
便利な所です。
そして、投資信託が金融市場となる会社の株式から発生した利益に対して、
運用手数料(信託報酬)を引いた残りを、我々投資家に還元してくれます。
この還元方法は、分配金として直接支払う方法(インカムゲイン)や、
成長した投資信託を売却して得られる収益(キャピタルゲイン)の2種類あり、
これに関しては次回以降の話にしようと思います。
ちなみに投資信託が投資する対象は、何も株式だけではありません。
代表的な物で言うと「債券(国債)」「REIT(不動産)」があり、対象となる
国も日本に限らず「先進国」「新興国」等、多種多様になります。
多種多様と聞くと複雑な感じもしますが、基本的には投資信託の名称に、
必要な情報の8割近くが入っていますので、以下を見てください
投資信託名称の傾向として
「運用会社名(特徴含む)」 「対象国」 「運用金融資産(株や債券等)」 「運用スタイル」
と、全てではないですがこの様な特徴がありますので、いくつか例を出して、
理解を深めてみましょう
この投資信託は、三井住友TAMさんの「SMTシリーズ」という投資信託で
ここでいうグローバルは「先進国」の事を意味し、投資先資産は
「株式」となっており、運用スタイルが「インデックスに対するパッシブ運用」と
なります。
フィデリティ投信が運用する、「US=アメリカ」の「REIT(不動産)」に投資をする
投資信託で、(H無)とは「為替ヘッジ無し」の意味であり、為替ヘッジ無しとは
外貨立て運用ではなく、日本円で換算している為、「為替影響受けますよ」って
意味になります。この投資信託名称では運用スタイルが分かりませんね。
「eMAXIS」とは三菱UFJ国際投信が運用するシリーズ名称で、「新興国」の
「債券」に対して投資をします。「インデックス」という名称がある為、
インデックス(指数)に対するパッシブ運用(消極的)だと分かります。
とまぁこんな感じで、名称を見ればその投資信託の大枠を把握する事は
可能なんです。
投資信託の名称のみでは運用スタイル全ては分かりませんので、最終的には
投資信託の設計図となる「交付目論見書」ってのを確認する必要があります。
では今回の最後に、途中出てきた「運用スタイル」に関して解説をして、
終わりたいと思います。
投資信託は、我々から集めた資金で金融資産を購入して運用しますが、
銘柄の選定方法や運用成績は、何らかの「指数:インデックス」を基に
構成されています。 ※一部投信除く
日本国内の株式でいうと日経平均株価(日経225)や、NHKで
取り上げられるTOPIX(東証株価指数)ってのを指数にするのですが、
日々ニュースを見ていると耳にした事があるかと思います。
アメリカではNYダウやNASDAQとかも有名ですね。
これらは、とある国に於ける株価の指数であり、それは合計株価の平均値だったり、
とある日の合計株価を「1」とした場合の比較であったりしますが、全て共通する事は
「その指数が対象とする地域の経済活動状況」を表しています。
指数=インデックスに対してパッシブ運用(消極的)をすると言うことは、
投資信託が購入して構成する銘柄は、とある指数(インデックス)に対して
貼り付いて連動する様に運用をします。
つまり、とあるインデックスと同じ成長(上下)の仕方を目指しますって事を
意味します。
三井住友TAMのSMTシリーズに於けるSMT TOPIXインデックスオープンが保有する
株式の銘柄は、東証一部上場企業2000社程で構成されているTOPIX(東証株価指数)に
連動するようになっており、この投資信託を100円分購入すると、実質的には
2000社以上に分散投資している事になります。
※連動を目指して運用するのであり、若干の乖離は生じます
この様なインデックスに対してパッシブ運用する投資信託のことを一般的に
「インデックスファンド」と呼ばれていますので、覚えておいて下さい。
では次に、パッシブ運用とは間逆であるアクティブ運用についてです。
アクティブ運用は指数に対してそれを上回る運用を目指しますが、
指数(インデックス)そのものが市場平均である以上、それに対して上下している
運用成績が必ずある為、「指数を上回る運用」をアクティブファンドが目指しても、必
ずしも上回る訳ではなく、指数に対して下回る事も多いにあります。
ではインデックスファンドとアクティブファンドのどちらが優秀なのか?と
問われれば、基本的にはインデックスファンドの方が優秀です。
なぜなら、市場全体が長期的に成長しているのであれば、平均値を永遠に
追いかけ続けるインデックスファンドは、必ず市場平均のリターンを得れるからです。
つまり運用方法による投資信託をまとめると
インデックスファンド:市場平均に委ねる為、勝ち負けは市場の成長次第
アクティブファンド:大きく勝てるかもしれないけど、市場平均以下に負ける事も有る
さらには勝ち続けるかもしれないし、負け続けるかもしれない
以上をもちまして、第一弾:投資信託って何ですか?を終了します
<今回の振り返り>
①投資信託は、少ない費用で複数銘柄への投資が可能
②投資信託は、何らかの指数を目標に銘柄設定&運用成績を比較する
③投資信託は運用スタイルによって、インデックスファンドと
アクティブファンドがある。
④インデックスファンドは市場平均を狙うのに対して、アクティブファンドは
市場平均を上回る運用を目指す(下回る事もある)