投資信託にて資産形成をしていると、切手も切れない仲なのが、コストです。
リターンとリスクは過去の実績より「大たいの」予測は出来ますが、
我々が唯一「ほぼ」コントロールできるのがコストだけになります。
コストは確実にリターンを蝕んでいく要素であり、コストは安ければ安い程
良いに越した事はありませんので、今回はそのコストに関しておさらいしましょう☆
投資信託に発生するコストは、以下の3つがあります
①販売手数料
②信託報酬
③信託財産留保額
全部活字なので取っ付きにくいですが、スポーツジムを例に簡単に説明しますと
①入会金:販売手数料
②年会費:信託報酬
③退会手数料:信託財産留保額
とまぁ、こんな感じになります。
1度っきりしか支払わないのが販売手数料と信託財産留保額なのに対して、
信託報酬は投資信託を保有している限り毎日 日割りで徴収されてる手数料となるので、
リターンが低いと手数料負けが発生する為、一番注意が必要な手数料になります。
何%の手数料が発生するかは交付目論見書ってのを見れば書いてますので、
アセットアロケーションが決まって、どの投資信託を買おうか検討する際は
必ず交付目論見書を確認するようにして下さい。
セゾン投信のバランスファンドを題材に、手数料がどの様に表示されてるのか
見てみましょう
さすがセゾン投信。
上記①~③の手数料に該当する部位が、赤文字で非常に分かりやすく
表現されておりますね。
セゾン投信の投資信託は、他社の投資信託経由で投資をする「ファンドオブファンズ」という形式を取り入れている為、ファミリーファンド方式の目論見書に対して
少しだけ複雑になりますが、大たいこの様な感じで記載されております。
セゾン投信はどこのファンド会社よりもお客様第一を心がけていらっしゃるので、
販売手数料はそもそも「ありません」と記載されており、投資しているファンドの
仲間に迷惑がかからないように、信託財産留保額の設定は0.1%あります。
この信託財産留保額ってのは、投資信託に払う手数料とはちょっと違うのですよ。
私がセゾン投信で積み立てている資産のから解約しようとすると、セゾン投信は
自社で保有している有価証券を売却し、私の解約金を用意してくれます。
しかしセゾン投信が有価証券を売却する際に発生する手数料を、セゾン投信の
積立資産でまかなおうとすると、他の投資家達が損する事になりますので、
「あなたの解約金を用意するのに必要な手数料は、皆の迷惑にならない様にする為に
自分で払いましょう」っていう支えあいのシステムになります。
ここまでが投資信託に関わる手数料の話になりますが実は、交付目論見書を
隅々まで読んでもタイトルに記載してある、「実質コスト」ってのは出てきません。
日々の運用の中で信託報酬以外のコストが実は発生したりしています。
それを確認できるのが「運用報告書」なるものでして、投資信託を運用している
ファンド会社のHPにて確認できますし、証券会社に登録している自分の
メールアドレスにも送られてきますので、そこからでも確認が出来ます。
中身を見ると文字と数字だらけで眩暈がしそうになりますが、自分の大事なお金を
払って運用してもらっている投資信託の「成績表」となるのが運用報告書ですので、
年に1度ぐらいはチェックしたいですね。
ではここで、モーニングスターで掲載されていたとある投資信託の運用報告書から
実質コストの読み取り方を理解してみましょう
まず最初に、一行目に(a)信託報酬 99円 0.894%とありますので、
この投資信託の信託報酬は0.894%であり、10000口当たり99円の手数料って
意味になります。
では次に再下段の「合計 106円 0.959%」って所を見てみてください。
ここが一番大事な「実質コスト」に該当する部位なんですが、信託報酬以外に
10000口当たり7円の費用が余分に発生し、それを合算した場合の
実質信託報酬が0.959%って事になる訳です。
つまり金額的には 実質コスト>信託報酬 となりますので、個別調査や頻繁な
売買が必要なアクティブファンドは、インデックスファンドに対して実質コストが
大きくなる傾向があります
モーニングスター資料参照
最近は低コスト(信託報酬)な投資信託が増えてきましたが実は、どの投資信託が
本当に一番安いかはこの実質コストで比較しないと分かりませんので、実際に
購入する前にモーニングスターが掲載してくれている「実際の経費率」ってのも
確認してください。
<結論>
手間は少しかかりますが、コストは調べれば分かる情報になります。
少しでも信託報酬を安く抑えて、資産形成の足かせにならない投資信託を
選びましょう!